サイトリニューアルでURLを引き継ぐ手順|旧ページの対応表から公開後の点検まで

紙のカードの束を青い帯でつなぎ、旧ページと新しい行き先を整理する作業を表した生成イメージ
生成画像によるイメージです。GPT生成の概念イメージで、実在するサイトの構成図や管理画面ではありません。

この記事の結論

サイトリニューアルでURLを引き継ぐには、公開の前に、旧URL1本ごとに、そのページを開く人の用件、行き先、残す内容、確かめる人を対応表に書きます。旧URLは複数の手がかりから集め、集めきれない部分は未確認と書きます。各行はA維持・B変更・C統合・D廃止・E保留のうち1つだけに分け、統合先が元の用件を満たすかを確かめ、行き先の決まらない旧URLはE保留に置いて、決まるまで設定を依頼しません。転送の種類や設定は担当者に任せ、依頼書には区分と事業上の意図を書きます。担当者の設定済みの申告とは別に、別の人が実際に開いて、着いた先のURL・内容・問い合わせまでの導線を確かめ、フォームは送信・受信・有効を分けて記録します。公開直後に見つけた問題は7日後を待たずに直し、7日後は反映と不具合を観測し、28日後の点検日は記録が確定した最後の日までを公開の前の同じ長さの期間と比べ、比べられない数字は未取得と書きます。回復や順位の維持は約束できません。

この記事で確認できること

  • 最初の10分で書く3本、旧URLを集める複数の手がかりと未確認の書き方、今のURL・移転後のURL・案・設定済み・確認済みの書き分け、開く人の用件と残す内容
  • A維持・B変更・C統合・D廃止・E保留の区分と架空の12本の対応表、統合先の条件、転送の種類の短い整理と依頼書、URL・内容・導線を分けた受入れと担当に確かめる欄
  • 送信・受信・有効の記録、公開の役割と切替中の更新差、公開直後・7日後・28日後の見直し、対応表の保管と受け渡し、架空の3社、登録不要の20項目の点検表と空欄の対応票・公開確認票

結論:旧URL1本ごとに「用件・行き先・確かめる人」を決めてから公開する

この記事は、ホームページのリニューアルで、ページの住所にあたるURLが変わる予定がある方に向けて書いています。古いURLの扱いが決まらないまま公開すると、検索結果やブックマーク、名刺のQRコード、取引先のサイトに残っている古いURLを開いた人が、「ページが見つかりません」の画面や、用件と関係のないページに着いてしまうおそれがあります。

この記事でお伝えしたい結論は一つです。リニューアルの前に、旧URL1本ごとに「そのページを開く人の用件」「行き先」「残す内容」「確かめる人」を対応表に書き、公開した直後に、実際に着いた先の画面で確かめることです。設定の作業そのものは専門の担当者に任せてかまいません。【編集部の提案】そのうえで、どのページを開いた人にどの説明を見てもらいたいかという事業の意図は、社内の事業の担当に確かめてから決めることをおすすめします。

この記事では、旧URLを集め、1本ずつ用件と行き先を決め、担当者へ依頼し、公開の前と直後に受け入れるまでの手順を、架空の対応表と登録不要の点検表でまとめます。

この記事で扱う範囲

  • 中心は、同じドメインのまま、ページのURLの並び(パス)が変わるリニューアルです。たとえば「/service.html」が「/services/painting/」になるような場合です。
  • ドメインそのものの変更、複数サイトの統合、常時SSL化などの大きな移転は、影響の範囲が広いため、この記事の手順だけで進めず、制作会社やサーバーの担当者と別に計画してください。
  • 転送(リダイレクト)の設定の書き方、サーバーの設定ファイルやプログラムの編集、本番環境での作業手順は扱いません。この記事は、設定を依頼する前後に社内で決めること、確かめることに絞っています。
  • 本文の手順・区分・票は、Akatsuki編集部の実務提案です。検索順位の維持や、問い合わせの数の回復を約束するものではありません。本文で「架空」と書いた例に出てくる会社・URL・件数・日付は、説明のために作ったものです。公式情報の説明と、関連記事へのリンクは架空ではありません。

関連する記事との役割分担

公開の後に検索からの流入が下がったときの原因の切り分けは、SEO順位・検索流入が落ちたときの確認手順が受け持ちます。既存のページのどれから書き直すかはSEOリライトの優先順位を決める手順、広告のアカウントや計測の引き継ぎは広告代理店を乗り換える前の引き継ぎ点検で扱っています。この記事は、それらとは別に、リニューアルの前に旧URLの行き先を決め、受け渡し、受け入れる作業だけを扱います。

最初の10分:問い合わせにつながるページを3本書き出す

旧URLの一覧を作り始める前に、10分だけ使って、問い合わせや予約につながっているページを3本書き出します。【編集部の提案】これは作業の入口を決めるための案で、3本という数に根拠や必須の意味はありません。2本でも5本でもかまいません。

書き出すのは、次のようなページです。

  • 問い合わせフォームのページ、または予約の受付ページ
  • 料金やサービスの内容を説明しているページで、そこから問い合わせへ進む人が多いと社内で感じているもの
  • 名刺・チラシ・取引先のサイトなど、社外の印刷物やリンクから直接開かれているページ
最初の10分で書く3本(記入例は架空)
番号今のURLそのページを開く人の用件社外に載っている場所
1/contact.html見積もりを頼みたい名刺のQRコード、チラシ
2/price.html費用の考え方を知りたい取引先のサイトの紹介欄
3/works/施工の事例を見てから相談したい不明(確認先は営業)

この3本は、後で作る対応表の中でも、公開の直後に最初に確かめる行になります。社外に載っている場所が分からない場合は、推測で埋めず「不明」と書き、誰に聞けば分かるかを書いておきます。

旧URLを集める:複数の手がかりと、集めきれない部分

【公式情報】URLが変わる移転では、元のURLから新しいURLへの対応表が重要とされ、多数の旧URLを関連の薄い1つのURL(新しいトップページなど)へまとめて転送しないよう案内されています(出典1)。

旧URLは、一つの手がかりだけでは集めきれません。【編集部の提案】次のように、社内の人が持っている手がかりと、制作会社などが持っている一覧を並べ、どこから見つけたURLかを列に残します。

旧URLを集める手がかりと、それぞれで分かりにくいこと(編集部の整理)
手がかり見つけやすいURL見落としやすいURL確かめる人の例
今のサイトのメニューと一覧ページ普段から案内しているページメニューから外した古いページ社内のWeb担当
制作会社や担当者が持つページの一覧・アクセスの記録担当者が把握しているページ担当者が把握していないページ制作会社
印刷物・名刺・広告の記録社外に載せたURL担当者が変わって記録がないもの営業・広報
取引先や紹介サイトのリンク把握しているリンク把握していないリンク営業
受付の担当が聞いた声「このページを見て連絡した」と言われたページ声にならなかったページ受付の担当

集めきれない部分は「未確認」と書く

どれだけ手がかりを集めても、すべての旧URLを集めきれたとは言い切れません。記録を見る期間を短くすれば、たまにしか開かれないページは漏れます。印刷物は、作った人が辞めていれば記録が残っていないこともあります。

【編集部の提案】一覧の冒頭に、「どの手がかりを、いつ、誰が確かめたか」と「確かめられなかった手がかり」を書きます。たとえば「取引先のサイトのリンクは未確認。営業が10月24日までに主な取引先3社を確かめる」のように、未確認の範囲と、次に確かめる人を残します。集めきれなかった旧URLを「なかった」とは書きません。

後から見つかった旧URLを書き足す人を決める

対応表を作り終えた後、公開の前後に「この古いURLも使われていた」と分かることがあります。営業が名刺の古い版を見つけた、受付が電話で「このページを見た」と聞いた、といった場面です。そのとき誰が対応表に書き足すかが決まっていないと、見つけた人が口頭で伝えただけで終わり、行が増えないまま公開を迎えます。

【編集部の提案】対応表の書き足しは、1人の「台帳の係」に集めます。見つけた人は、今のURL、見つけた場所、見つけた日だけを係に渡し、区分や行き先は係が事業の担当と決めます。

後から見つかった旧URLの追記の記入例(架空)
見つけた日見つけた人今のURL見つけた場所台帳の係が書き足した日区分を決めた日
10月20日営業/estimate-form.html3年前の名刺の裏10月20日10月21日(B 変更)
10月22日受付の担当/faq.html電話で「このページを見た」と聞いた10月22日未定(E 保留)

公開の後に見つかった行も同じ手順で書き足し、問い合わせにつながるページであれば、見直しの日を待たずに担当へ連絡します。

一覧に書かないもの

管理画面のURL、認証用のURL、パスワード、アクセス解析のアカウントの情報、社内だけで使う非公開のURLは、対応表に書きません。対応表は制作会社や複数の担当者で回覧することが多いため、秘密にすべき情報が混ざると、広く共有されてしまいます。権限が足りずに見られない画面があった場合も、別のアカウントで回避せず、「権限がなく未確認」と書き、権限を持つ人に確認を頼みます。

「今のURL・移転後のURL・案・設定済み・確認済み」を書き分ける

対応表の作業で混乱が起きやすいのは、同じ「新しいURL」という言葉が、違う段階のものを指してしまうことです。【編集部の提案】次の5つを、別の言葉として使い分けます。

対応表で使い分ける5つの言葉(編集部の提案)
言葉意味書く人の例
今のURL公開中の古いサイトで、実際に開けるURL社内のWeb担当
移転後のURL新しいサイトで、その内容を置く予定のURL制作会社
対応の案今のURLをどう扱うかの提案(区分と行き先)社内のWeb担当と事業の担当
設定済み担当者が、案に沿った設定をしたと申告した状態制作会社・サーバーの担当
確認済み別の人が、実際に開いて、着いた先の画面と内容を確かめた状態自社の確認担当

とくに大切なのは、「設定済み」と「確認済み」を分けることです。担当者が「設定しました」と言っても、それは申告です。実際に古いURLを開いて、意図した画面に着くことを、設定した人とは別の人が確かめて、はじめて「確認済み」と書きます。

旧URL1行の状態を、対応表に書いた案、担当者の設定の申告、実際の画面での確認、問い合わせの受付の確認の4つの別々の状態として上から順に並べた図。前の状態を次の状態の完了と書かないこと、受付の確認は問い合わせや予約に関わる行だけで行うことの注記がある
図:旧URL1行の4つの状態(Akatsuki編集部作成)図を拡大して見る

図の内容:旧URL1行について、対応表に案を書いた状態、担当者が設定を申告した状態、別の人が実際の画面で着いた先を確かめた状態、問い合わせの受付まで確かめた状態の4つを、別々に記録します。前の状態を、次の状態の完了とは書きません。4つめの受付の確認は、問い合わせや予約に関わる行だけで行い、会社案内などの行で試しの送信をする必要はありません。

旧URL1本ごとに、読者の用件と残す内容を書く

行き先を決める前に、旧URLを開く人がどんな用件で来るのかを1行ずつ書きます。【編集部の提案】URLの文字列やページの題名だけを見て行き先を決めると、「似た名前のページ」へ送ってしまい、用件を満たせないことがあります。

用件と残す内容の書き方(記入例は架空)
今のURL開く人の用件新しいサイトで残す内容残さない内容
/service.html外壁塗装を頼めるか知りたい対応する工事の種類、対応地域、相談の流れ古いキャンペーンの案内
/price.html費用の考え方を知りたい見積もりの決まり方、現地調査の流れ終わった割引の金額
/recruit.html働けるか知りたい採用の窓口(募集がない時期はその旨)終了した募集の条件

例外になりやすい旧URL

次のような旧URLは、行き先を機械的に決めにくいため、1本ずつ判断します。

  • 閉店・移転した店舗のページ:別の店舗のページへ送ると、閉店した店に行こうとした人が気付かないことがあります。閉店や移転の事実と、近くの店舗の案内を、新しいサイトのどこで伝えるかを先に決めます。
  • 廃止したメニューやサービスのページ:似たサービスへ送るのか、廃止したことを伝えるのかを、事業の担当が決めます。
  • 求人のページ:募集がない時期でも、採用の窓口の案内を残すかどうかを決めます。
  • 古いPDFの資料や申込書:印刷物から直接開かれていることがあるため、新しい申込みの方法へ案内する必要があるかを確かめます。
  • 期間限定のキャンペーンのページ:終わった案内を残すと誤解を招くことがあるため、残さない判断も含めて決めます。

対応表の5つの区分:A維持・B変更・C統合・D廃止・E保留

【編集部の提案】旧URL1行には、次の5つの区分のうち1つだけを付けます。2つの区分に迷う行は、E保留にして、何が分かれば決められるかを書きます。

旧URL1行に付ける5つの区分(編集部の提案)
区分意味次の作業
A 維持URLを変えずに、新しいサイトでも同じ場所に置く新しい内容が、旧ページの用件を今も満たすかを確かめる
B 変更同じ内容を、別のURLに移す移転後のURLと、転送の依頼を担当へ渡す
C 統合複数の旧ページの内容を、1つの新しいページにまとめる統合先が、それぞれの旧ページの用件を満たすかを確かめる
D 廃止内容を新しいサイトに移さない廃止の理由と、利用者への伝え方、扱いを担当と決める
E 保留判断に必要な情報が足りない不足している情報、確かめる人、期限を書く

どの区分でも、行ごとに次の4つを書きます。

  • 理由:用件と残す内容に照らして、なぜその区分にしたか
  • 対応先:移転後のURL、または統合先・案内先のURL
  • 確かめる人:設定した人とは別の、確認済みを書く人
  • 未確認の証拠:まだ確かめられていないこと(社外のリンク、印刷物など)

A維持でも、新しい内容が旧ページの用件を満たすかを見る

URLを変えないA維持の行は、転送の依頼が要らないため、確認から外されがちです。しかしリニューアルでは、URLが同じでも、ページの中身が作り直されています。旧ページで見られた情報が新しいページから消えていれば、同じURLに着いても、開いた人の用件は満たされません。

【編集部の提案】A維持の行は、旧ページで大事だった情報を3つまで書き出し、新しいページにあるかを1つずつ確かめます。

A維持の行で確かめる内容の記入例(架空)
今のURL旧ページで大事だった情報新しいページにあるか確かめた人・日
/contact/電話の受付時間あるWeb担当・10月16日
/contact/現地調査を頼むときの入力欄ない(相談の種類の選択肢から外れていた)Web担当・10月16日
/company/駐車場の案内ある営業責任者・10月16日

「ない」と分かった行は、区分はA維持のまま、残す内容の追加を制作会社へ依頼し、直った日を書き足します。区分を変えるのではなく、内容の不足として扱います。

架空の12本で見る対応表

次は、外壁塗装と屋根の修理を行う架空の工務店が、リニューアルの前に作った対応表です。12本という数や区分の内訳は、この例のために作ったもので、業種の平均や、目指すべき割合ではありません。

架空の工務店の旧URL対応表(12行・架空の例)
番号今のURL開く人の用件区分対応先理由確かめる人未確認の証拠
1/contact/見積もりを頼みたいA 維持/contact/名刺とチラシに載っているため変えない営業責任者なし
2/company/会社の所在地を知りたいA 維持/company/用件と内容が変わらないWeb担当なし
3/privacy/個人情報の扱いを知りたいA 維持/privacy/フォームから参照しているため変えないWeb担当なし
4/service.html外壁塗装を頼めるか知りたいB 変更/services/painting/同じ内容を新しい構成に移すWeb担当取引先のリンク
5/roof.html屋根の修理を頼めるか知りたいB 変更/services/roof/同じ内容を新しい構成に移すWeb担当なし
6/price.html費用の考え方を知りたいB 変更/services/estimate/見積もりの流れのページに移す営業責任者なし
7/flow.html工事の流れを知りたいB 変更/services/flow/同じ内容を新しい構成に移すWeb担当なし
8/works/2019/過去の事例を見たいC 統合/works/年ごとの一覧を1つの事例一覧にまとめるWeb担当古いブログからのリンク
9/works/2020/過去の事例を見たいC 統合/works/年ごとの一覧を1つの事例一覧にまとめるWeb担当なし
10/campaign-spring/終わった割引を見たいD 廃止(担当と扱いを決める)終了した案内で、残すと誤解を招く営業責任者チラシの配布先
11/recruit.html働けるか知りたいE 保留未定採用の窓口を新しいサイトに置くか未決定代表募集の予定
12/form.pdf申込書を印刷したいE 保留未定紙の申込書を続けるか未決定営業責任者チラシのQRコードの先

区分の数と、作業の進み具合を混ぜない

この表を集計すると、A維持が3行、B変更が4行、C統合が2行、D廃止が1行、E保留が2行で、合計12行です。これは「対応の案」の段階の集計です。【編集部の提案】報告では、区分の数と、設定済み・確認済みの数を分けて書きます。たとえば「B変更4行のうち、設定済み2行、確認済み1行」のように書き、「対応表ができた」を「移転が終わった」とは書きません。

架空の旧URL12本を、A維持3、B変更4、C統合2、D廃止1、E保留2の5つの区分に分ける図。A・B・Cは確かめる人を決めて設定を依頼し、着いた先の画面で確かめる。D廃止は担当と扱いを決め、表示される画面を別に確かめる。E保留は不足している情報を確かめて区分を決め直すまで待つ。数は架空の例で業種の平均や推奨の割合ではないという注記がある
図:旧URL12本を区分し、区分ごとの次の作業へ進む流れ(Akatsuki編集部作成)図を拡大して見る

図の内容:架空の旧URL12本を、A維持3・B変更4・C統合2・D廃止1・E保留2の5つに分けています。A・B・Cの9本は、確かめる人を決めて設定を依頼し、着いた先の画面で確かめます。D廃止の1本は、転送するかどうかも含めて担当と扱いを決め、表示される画面を別に確かめます。E保留の2本は、設定へ進まず、不足している情報を確かめて区分を決め直すまで待ちます。数は架空の例で、業種の平均や推奨の割合ではありません。

統合先を決めるとき:同じ用件を満たすか

C統合は、手間が少なく見えるため、多くの旧URLをまとめたくなります。しかし、統合先のページが、元のページを開いた人の用件を満たしていなければ、着いた人は探していた情報を見つけられません。

【編集部の提案】統合先を決めるときは、次の3つを確かめます。

  1. 統合先のページの最初の画面に、元のページを開いた人が探している情報があるか、または近くにあることが分かるか
  2. 元のページにあった大事な情報(対応地域、注意事項、問い合わせの方法など)が、統合先から抜け落ちていないか
  3. 統合先に、元のページとは関係のない話題ばかりが並んでいないか

行き先が決まらない旧URLはE保留に置く

対応表を作る時間がないと、分からないURLをまとめて一つのページへ送りたくなります。前の章で見た公式の案内のとおり、これは避けます。【編集部の提案】行き先が決まらない旧URLはE保留に置き、不足している情報と確かめる人を書いて、用件に合う行き先が決まってから依頼します。

転送の種類は、担当者に確かめる

古いURLを開いた人を新しいURLへ自動で案内する仕組みを、転送(リダイレクト)といいます。転送にはいくつか種類があり、どれを使うかは担当者が決めます。ここでは、依頼のときに知っておきたい違いだけを短くまとめます。

【公式情報】リダイレクトを元に戻す予定がない場合は永続的なリダイレクト(サーバー側では301または308)を、一時的に別のページへ誘導する場合は一時的なリダイレクト(302など)を使うと説明されています(出典2)。

依頼のときに伝えること

【編集部の提案】担当者には、設定の方法ではなく、「その旧URLを、ずっと新しいURLに置き換えるのか、一時的に別のページへ案内したいだけなのか」という事業上の意図を伝えます。どの番号の転送を使うか、どこに設定するかは、担当者がサーバーや管理画面の状況を見て決めます。

  • B変更・C統合の行:元に戻す予定があるかどうかを書く
  • D廃止の行:転送するのか、廃止したことを伝えるのかを、事業の担当と決めてから伝える

すべての旧URLに同じ種類の転送を一律に設定するのではなく、行ごとの区分と意図に合わせて担当者に判断してもらいます。また、転送を設定したからといって、検索での扱いや順位がそのまま引き継がれる、と考えないでください。この記事は、検索での評価を約束するものではありません。

設定は担当へ渡す:依頼書に書くこと・書かないこと

対応表ができたら、設定を担当する制作会社やサーバーの担当者へ依頼します。【編集部の提案】依頼は口頭ではなく、対応表と一緒に、次の項目をそろえた文面で渡します。

設定の依頼書に書くこと(編集部の提案)
項目書くこと
対象対応表のどの行か(番号と今のURL)
区分と行き先A〜Dの区分と、移転後のURL・統合先
事業上の意図上の節で書いた意図と、その行で迷っている点
期限いつまでに設定するか、公開の日時
申告の仕方設定した行と日時を、対応表の「設定済み」の欄に書いてもらう
確かめる人設定した人とは別に、確認済みを書く人
戻す担当公開の後に問題が出たとき、元に戻す判断と作業をする人

依頼文の例(架空)

「添付の対応表のうち、B変更の4行(番号4〜7)とC統合の2行(番号8・9)について、今のURLを開いた人が対応先のURLへ着くように設定をお願いします。いずれも元に戻す予定はありません。D廃止の番号10は、扱いを営業責任者と決めてから別にお願いします。E保留の番号11・12は、まだ設定しないでください。設定が終わった行は、対応表の『設定済み』の欄に日時を書いてください。確認は当社のWeb担当が別に行います。」

依頼書に書かないもの

サーバーや管理画面のパスワード、認証のコード、個人のメールアドレスは、依頼書や対応表に書きません。権限の受け渡しが必要な場合は、社内の決まりに沿った別の方法で行います。また、この記事では、設定ファイルやプログラムの書き方の例を載せていません。インターネット上の例をそのまま本番のサーバーに貼り付けると、意図しないページまで転送されることがあるため、設定は担当者の判断に任せます。

公開の前の受入れ:URLの文字列ではなく、着いた先の画面で確かめる

担当者から「設定済み」の申告を受けたら、公開の前に確認できる環境があれば、そこで受け入れの確認をします。公開の前に確かめられない場合は、公開の直後に同じ確認をします。

【編集部の提案】確認では、次の3つを分けて見ます。

  1. 着いた先のURL:旧URLを開いた後、ブラウザーのアドレス欄に表示されるURLが、対応表の対応先と同じか
  2. 着いた先の内容:その画面に、対応表に書いた「残す内容」があるか
  3. 主な導線:その画面から、問い合わせや予約のページへ進めるか

URLの文字列が対応先と同じでも、内容が古いままだった、問い合わせのボタンが動かなかった、ということは起こり得ます。反対に、内容は正しくても、途中で何度も別のURLを経由していることもあります。

応答の記録と、最終の画面を分ける

担当者が「転送の応答を確かめた」と報告する場合、それは仕組みが動いていることの確認です。【編集部の提案】自社の点検では、それとは別に、利用者と同じようにブラウザーで開き、最後に表示される画面を見て記録します。途中で何回転送されているか、表示が遅くないかといった技術的な点は、気になったら担当者に確かめてもらいます。応答の番号が期待どおりであることだけで、内容が正しい、検索への対応が終わった、とは判断しません。

スマートフォンでも開く

名刺のQRコードやチラシから来る人は、スマートフォンで開くことが多いと考えられます。【編集部の提案】社外に載っている旧URLは、パソコンだけでなくスマートフォンでも開き、最初の画面で用件に合う説明が見えるかを確かめます。

検索エンジン向けの設定は「担当に確かめる欄」として持つ

新しいサイトには、検索エンジン向けの設定(正規のURLの指定など)があります。【編集部の提案】これらの中身を社内の担当者が一つずつ理解する必要はありません。公開確認票に「担当に確かめる欄」を1つ設け、公開の前に設定の見直しが済んだかを担当者に尋ね、回答した人と日付を残します。D廃止の行をどう扱う設定にしたかも、同じ欄で尋ねます。

担当者の回答は、「設定済み」と同じく申告です。疑問が残る場合は、別の担当者や制作会社の責任者に確かめてもらいます。自社の確認担当は、回答の中身を評価するのではなく、「尋ねた・回答があった・回答した人と日付」が欄にそろっているかだけを見ます。

問い合わせの受付を「送信・受信・有効」に分けて確かめる

リニューアルでは、問い合わせのフォームそのものを作り直すことがあります。URLの引き継ぎが正しくても、フォームから送った内容が社内に届かなければ、問い合わせは失われます。

【編集部の提案】公開の前後で、フォームの確認を次の3つに分けて記録します。

問い合わせの受付で分けて記録する3つ(編集部の提案)
記録確かめること確かめる人の例
送信の成功送った後に、完了の画面が出たか社内のWeb担当
受信社内の受付の担当に、内容が届いたか受付の担当
有効な問い合わせ実際のお客様からの相談として、受付の台帳に記録されたか受付の担当

公開の前後に行う試しの送信は、確認のための作業です。【編集部の提案】試しの送信は、件名や本文に「テスト」と分かる言葉を入れ、受付の台帳では有効な問い合わせとは別に記録します。テストの件数を、公開の後の問い合わせの件数に混ぜないでください。フォームの入力項目や、送った後の流れの見直しは、問い合わせフォームを改善する手順が受け持ちます。

計測のURLや配布リンクも対応表に載せる

広告やSNS、メールマガジンで配っているリンクに、計測のための文字列(UTMパラメータなど)を付けている場合、その行き先の旧URLも対応表に載せます。転送の後も計測の文字列が残るかは、担当者に確かめてもらいます。配布リンクの名前の付け方や管理は、UTMパラメータの設定と命名ルールを参考にしてください。

公開の許可・差分・復旧の担当を決める

公開の日が近づくと、作業が多くの人に分かれ、誰が何を決めるのかが曖昧になりがちです。【編集部の提案】公開の前に、次の4つの役割を、名前(または担当の部署)で決めておきます。

公開の前に決める4つの役割(編集部の提案)
役割決めること担当の例
公開の許可対応表と確認の結果を見て、公開してよいかを決める代表または事業の責任者
差分の確認公開する内容が、確認した内容と同じかを見る社内のWeb担当
復旧の担当問題が出たとき、元に戻すかを判断し、作業を頼む制作会社の責任者と社内の責任者
受付の見守り公開の後、問い合わせや電話に変化がないかを見る受付の担当

人数が少ないときの役割の分け方

社員が数人の会社では、4つの役割を別々の人に割り当てられないこともあります。【編集部の提案】その場合も、「設定した人」と「確認済みを書く人」は、できるだけ別の人にします。設定を制作会社に任せているなら、確認済みは社内の誰かが書きます。

Web担当が1人だけで、ほかに社員がいる場合は、確認の一部(社外に載っている旧URLを開く作業など)を、普段サイトを触らない社内の別の人に頼む方法があります。そのときは、開いてもらう旧URLと、見てほしい内容だけを紙に書いて渡し、パスワードや管理画面には触れてもらいません。

社員が1人だけの会社では、社内に別の確認者はいません。その場合は、すでに依頼している制作会社の中で、設定した人とは別の人に、公開された画面だけを見て確かめてもらえるかを相談します。新しい権限の付与や、追加の費用が要る依頼を前提にはしません。別の確認者を確保できなかったときは、自分で確認したうえで、公開確認票に「独立した確認は未実施」と書き、そのことを公開の判断をする人(社員が1人なら自分自身の記録として)に渡してから公開を決めます。

人数が少ないときの役割の割り当て例(架空・社内2人と制作会社)
役割担当兼ねてよいか
公開の許可代表復旧の判断と兼ねてよい
設定制作会社確認済みとは兼ねない
確認済みを書く事務の担当受付の見守りと兼ねてよい
受付の見守り事務の担当確認済みと兼ねてよい
復旧の判断代表(作業は制作会社)公開の許可と兼ねてよい

切り替えの間に起きる更新の差を受け渡す

古いサイトから新しいサイトへ切り替える準備の間にも、古いサイトでお知らせや料金を更新することがあります。新しいサイトにその更新が反映されないまま公開すると、古い情報に戻ってしまいます。【編集部の提案】切り替えの準備に入った日から公開の日までは、古いサイトで更新した内容を次のような受け渡しの表に書き、公開の前に新しいサイトへ反映されているかを確かめます。可能であれば、その間の更新は急ぎのものだけに絞ります。

切り替え中の更新の受け渡し表(記入例は架空)
古いサイトで更新した日更新した内容更新したページ新しいサイトの反映先反映を頼んだ相手反映を確かめた人・日
10月10日年末の休業日のお知らせ/news.html/news/制作会社Web担当・10月16日
10月14日対応地域に隣の町を追加/service.html/services/painting/制作会社未確認

最後の列が「未確認」の行が残っている間は、公開の許可を出す人へ、その行があることを伝えます。公開するかどうかは、許可を出す人が決めます。

受け渡し表で反映漏れを見つけた架空の例

ある架空の工務店では、切り替えの準備に入った後の10月14日に、古いサイトの外壁塗装のページへ「対応地域に隣の町を追加」と書き足しました。受け渡し表には書いていましたが、制作会社への連絡は口頭だけで、新しいサイトには反映されていませんでした。公開の前日、Web担当が受け渡し表の「反映を確かめた人・日」の列を上から見ていき、この行だけが空いていることに気付きました。

Web担当は、新しいサイトの該当ページを開いて対応地域の文言を書き写し、古いサイトの文言と並べて、違いを制作会社へ文面で送りました。制作会社が直した後、Web担当が同じページをもう一度開き、文言が一致していることを確かめてから、列に名前と日付を書きました。この例で大切なのは、口頭で伝えたことを反映済みと考えず、新しいサイトの画面で確かめた人と日付が入るまで、行を閉じなかったことです。

公開してよいかを決めるときの3つの例

【編集部の提案】公開の許可を出す人は、対応表・受け渡し表・公開確認票を見て、未確認の行がどの区分にあるかで判断します。次の3つは、判断の考え方を示す架空の例で、行の数は説明のための例です。

  • 例1:公開してよいと判断した場合。B変更の4行とC統合の2行はすべて確認済み。E保留の2行は設定を依頼しておらず、旧ページをそのまま残すことが対応表に書かれている。未確認は、取引先のサイトのリンクが残っているかだけで、確かめる人と期限が決まっている。許可を出す人は、未確認の内容と期限を公開確認票に書いたうえで公開を許可した。
  • 例2:公開を延ばした場合。問い合わせのページ(A維持)で、現地調査を頼むときの入力欄が新しいフォームから外れていることが、前日に分かった。直すのに制作会社の作業が要り、当日中に確かめられない。許可を出す人は、問い合わせにつながる行に未確認が残っているため、公開日を延ばした。
  • 例3:条件を付けて公開した場合。D廃止の1行について、表示する画面の文言がまだ決まっていなかった。ほかの行はすべて確認済み。許可を出す人は、その1行の区分をE保留へ戻し、扱いを決めるまで設定を依頼しないことと、文言を決める担当と期限を書いたうえで、それ以外の部分を公開した。

どの例でも、判断した人・判断した日・理由を公開確認票に残します。「公開した」ことと「すべての行を確かめた」ことは別の記録として書きます。迷ったときの目安として、問い合わせや予約につながる行に未確認が残るなら延ばす、それ以外の行の未確認は確かめる人と期限が決まっていれば公開を検討する、という順で考えると判断がぶれにくくなります。ただし、これは編集部の考え方の例で、最終的な判断は自社の事情に合わせて許可を出す人が行います。

切り替えの日と、公開直後に見ること

公開した日は、対応表の行を上から順に、実際に開いて確かめます。最初の10分で書き出した3本と、社外に載っている旧URLから先に確かめます。

【編集部の提案】公開直後の確認は、7日後の見直しを待たずに行います。次のような問題が見つかったら、その日のうちに復旧の担当へ連絡し、問題のある行だけを直すか、戻すかを判断してもらいます。

  • 問い合わせや予約のページに着かない、またはフォームが送れない
  • 旧URLが「ページが見つかりません」の画面になる(D廃止として決めた行以外)
  • 旧URLが、対応表の対応先とは違う、関係のないページに着く
  • 新しいサイトに、古い料金や終わったキャンペーンが表示されている

問題を直したら、その行の「確認済み」を書き直します。直した内容と日時、直した人も対応表に残します。

確認が終わらない行の扱い

公開の日に、すべての行を確かめきれないこともあります。【編集部の提案】そのときは、確かめていない行を「確認済み」とも「問題なし」とも書かず、次の3つのどれに当たるかを書き分けます。

  • 未着手:まだ開いていない。次に開く人と日時を書く
  • 確認中:開いたが、内容や導線の判断がついていない。何が分からないかを書く
  • 確認できない:権限や環境の都合で開けない、社外のリンク元が分からないなど。誰に頼めば確かめられるかを書く

未着手と確認中の行は、公開の翌日までに上から順に片付けます。問い合わせにつながる行が「確認できない」のまま残る場合は、公開の許可を出した人に伝え、ほかの確かめ方がないかを相談します。確認が終わらない行を、件数だけまとめて報告しないでください。どの旧URLが残っているかが分からないと、次に確かめる人が同じ行を探し直すことになります。

たとえば架空の工務店では、公開の日の夕方に次のように書き残しました。「番号8:確認中。統合先の事例一覧に2019年の事例はあるが、旧ページにあった施工の地域名が抜けているか判断がつかない。Web担当が翌朝に旧ページの控えと見比べる」「番号4の取引先のリンク:確認できない。リンク元のサイトが分からないため、営業が主な取引先に尋ねる」。このように書けば、翌朝に作業を引き継いだ人が、どの行から何をすればよいかをすぐに読み取れます。

改ざんなどが疑われるときは、自分で操作しない

公開の直後に、見覚えのないページへ転送される、知らない文言が表示されるなど、設定の誤りでは説明しにくい異常に気付くことがあります。【編集部の提案】その場合は、自社の確認担当が自分でサイトを公開し直したり、設定を消したりせず、見た画面と時刻だけを記録して、すぐに復旧の担当と制作会社の責任者へ連絡します。判断と作業は担当者に任せます。

公開の直後に問題を見つけたらその日のうちに担当へ連絡して直し、7日後に反映と不具合を観測し、28日後の点検日に確定した最後の日まで同じ長さの期間で記録を比べるという3つの段階を上から順に並べた図。回復を約束するものではなく、比べられない数字は未取得と書くという注記がある
図:公開の直後・7日後・28日後の見直し(Akatsuki編集部作成)図を拡大して見る

図の内容:公開の直後は問題を見つけたらその日のうちに担当へ連絡して直し、7日後は反映と不具合を観測し、28日後の点検日は記録が確定した最後の日までを、公開の前の同じ長さの期間と同じ条件で比べます。日程は見直しの区切りで、回復の時期を約束するものではありません。比べられない数字は「未取得」と書きます。

7日後と28日後の見直し

公開の後は、見直しの日を2回決めておきます。【編集部の提案】たとえば10月17日に公開した場合、7日後の10月24日と、28日後の11月14日を点検日にします。日程は見直しの区切りで、検索からの流入や問い合わせが元に戻る時期を示すものではありません。点検日は作業をする日で、その日の朝に公開後の記録がすべてそろっているとは限りません。

7日後:反映と不具合を観測する

  • 対応表のすべての行が「確認済み」になっているか。残っている行は、なぜ残っているか
  • E保留の行は、決まったか。決まっていれば、設定の依頼に進んだか
  • 社外に載っている旧URL(名刺・チラシ・取引先のリンク)を、もう一度開いて確かめたか
  • 受付の担当から、「探しているページがない」といった声が届いていないか

28日後:同じ条件で記録を比べる

28日後の点検日には、公開の後の期間と、公開の前の同じ長さの期間の記録を、同じ条件で並べます。【編集部の提案】比べる項目の例は、問い合わせの受付の台帳の件数、主なページの閲覧の記録、「ページが見つかりません」の画面の表示の記録などです。

比べる期間は、点検日の時点で記録が確定している最後の日までにします。たとえば10月17日に公開し、11月14日の点検日に確定している最後の日が11月12日なら、公開の後は10月17日〜11月12日の27日間、公開の前は同じ27日間の9月20日〜10月16日を並べます。公開の後の丸28日がそろわない場合は、28日分としては比べず「28日分は未取得」と書き、次に比べる日を決めて残します。画面で暫定と表示されている値は、確定した28日分の代わりにしません。

比べるときは、次の点に注意します。

  • 公開の前の記録が残っていない、計測の仕組みが変わったなど、同じ条件で比べられない数字は「未取得」と書き、0とは書きません。
  • 季節、休業日、広告の出し方の変化があれば、比べる期間の注記に書きます。
  • 公開の後に数字が下がっていても、リニューアルが原因だと決めつけません。下がり方の切り分けは、SEO順位・検索流入が落ちたときの確認手順の手順で進めます。
  • 数字が上がっていても、対応表の作業が原因だとは言い切りません。

公開後も対応表を残す:受け渡しと保管

対応表は、公開した日で役目が終わるものではありません。半年後に名刺を刷り直すとき、制作会社を替えるとき、もう一度ページの構成を変えるとき、「どの旧URLを、なぜ、どこへ案内したか」が分からないと、同じ調べ直しをすることになります。

【編集部の提案】公開から28日後の見直しが終わったら、次の4つをそろえて、社内の決まった場所に保管します。

  1. 最終の対応表(区分・対応先・理由・確かめた人と日時)
  2. 設定の依頼書と、担当者からの設定済みの申告
  3. 公開確認票(設定の申告、画面の確認、受付の確認、見直しの結果)
  4. 公開の直後に直した問題の記録(内容・日時・直した人)

担当者や制作会社が変わるとき

担当者が替わる場合は、対応表と一緒に、「転送の設定がどこにあり、誰が変更できるか」を引き継ぎます。設定の場所や権限の情報そのものは対応表に書かず、社内の決まりに沿った方法で受け渡します。【編集部の提案】受け取る側は、引き継ぎの日に対応表の上位の行(問い合わせにつながるページと社外に載っている旧URL)を実際に開き、今も対応先に着くことを確かめてから受け取ります。受け取った日と、確かめた行を対応表に書いておくと、次に何か起きたとき、どの時点まで正しく動いていたかを追えます。

転送をいつまで残すかは、担当者と決める

転送の設定を残す期間や、外してよいかどうかは、サイトの状況や社外のリンクの残り方によって変わります。この記事では一律の期間を示しません。【編集部の提案】設定を外す、サーバーを解約する、ドメインの契約を見直すといった変更をする前に、対応表の旧URLが今も開かれているか、社外にまだ載っているかを担当者と確かめ、判断した日と理由を対応表に残します。

確認の証跡の書き方

「確認しました」という一言だけでは、後から何を確かめたのかが分かりません。【編集部の提案】確認済みを書くときは、次の5つを1行にそろえます。画面の保存(スクリーンショット)を残す場合も、個人情報やパスワードが写っていないかを確かめてから、社内の決まった場所に置きます。

確認の証跡の書き方の記入例(架空)
開いた旧URL開いた日時着いた先のURL見た内容確かめた人
/service.html10月17日 10時ごろ/services/painting/対応地域に隣の町まで載っている。見積もりのボタンからフォームへ進めた事務の担当
/works/2019/10月17日 10時ごろ/works/2019年の事例が一覧の中にある事務の担当
/form.pdf10月17日 11時ごろ/form.pdf(E保留のため変更なし)旧PDFのまま開ける営業責任者

3行目のように、E保留やA維持の行も「変わっていないことを確かめた」と書いておくと、後で区分を変えたときに、変更の前の状態が分かります。日時は分単位でなくてもかまいませんが、公開の前か後かが分かるように書きます。

次のリニューアルの入口にする

保管した対応表は、次にサイトを作り直すときの「旧URLの一覧」の出発点になります。前回の対応表の対応先が、次回の「今のURL」になります。【編集部の提案】前回D廃止やE保留にした行も消さずに残し、次回の作業で「なぜそうしたか」を読める状態にしておきます。

架空の3つのケース

ここでは、業態によって判断が変わる場面を、架空の3社で見ます。会社もURLも実在のものではなく、効果を測った例でもありません。

架空のケース1:社員の少ない会社の小さなサイト

条件:ページは20本ほど。管理画面がなく、HTMLのファイルを制作会社が更新している。社内にWeb担当がいない。

  • 判断:対応表の「確かめる人」を、代表と事務の担当の2人で分け合う。代表は用件と残す内容、事務の担当は公開の直後に実際に開いて確かめる役。
  • 例外:制作会社の担当者が設定と確認を兼ねようとしたため、確認は社内の事務の担当が行うと依頼書に明記した。設定した人と確かめる人を分けるため。

架空のケース2:複数の店舗のメニューを統合するサロン

条件:店舗ごとに別々だったメニューのページを、新しいサイトでは1つのメニューページにまとめる。一部の店舗だけで提供しているメニューがある。

  • 判断:店舗ごとのメニューのページはC統合。ただし統合先のメニューページで、どのメニューがどの店舗で受けられるかが最初の画面で分かることを条件にした。
  • 例外:閉店した店舗のページは、統合先へ送らずE保留にした。閉店を知らずに予約しようとする人へ、閉店の事実と近くの店舗をどう伝えるかを、店長が決めるまで設定を待つ。

架空のケース3:問い合わせのPDFを使っていた会社

条件:チラシのQRコードが、旧サイトのPDFの申込書を直接開く。新しいサイトでは申込みをフォームに切り替える。

  • 最初の判断:取引先がFAXで紙の申込書を使っている可能性があったため、PDFの旧URLはE保留とし、同じURLでPDFを残したまま公開した。この時点で転送の依頼はしていない。営業が主な取引先に確かめる期限を、公開の1週間後に置いた。
  • 確認の後:取引先から「紙は使っていない」と確認でき、紙の申込書をやめると代表が決めた日に、区分をB変更へ移した。対応先は申込みのフォームのページで、ここで初めて転送の依頼を制作会社へ出し、設定済みの申告の後に別の人が開いて確認済みを書いた。
  • 注意:E保留の間にB変更の対応先を書いておくのはかまいませんが、それは「案」で、設定済みとは書きません。同じ旧URLについて、PDFを残すことと、フォームへ転送することは同時には行いません。

3つのケースに共通すること

どのケースでも、行き先を決めたのは、URLの文字列ではなく、そのページを開く人の用件でした。また、設定した人とは別の人が確かめる、決まらない行は保留にして待つ、という2点が共通しています。

登録不要の20項目点検表と、空欄の対応票・公開確認票

ここまでの手順を、20項目の点検表と、空欄の票2つ(旧URL対応票と公開確認票)にまとめました。登録や送信は不要で、紙に書き写して使えます。

サイトリニューアルのURL引き継ぎの20項目点検表
番号区分点検すること確かめる資料結果
1入口問い合わせにつながるページを書き出した最初の10分の表
2入口社外に載っている旧URLの場所を書いた(不明は確認先も)最初の10分の表
3収集旧URLを複数の手がかりから集め、手がかりを列に残した対応表
4収集確かめられなかった手がかりを「未確認」と書いた対応表の冒頭
5収集後から見つかった旧URLを書き足す台帳の係を決めた対応表
6収集パスワードや非公開のURLを対応表に書いていない対応表
7言葉今のURL・移転後のURL・案・設定済み・確認済みを書き分けた対応表
8用件旧URL1本ごとに、開く人の用件と残す内容を書いた対応表
9用件閉店・廃止・求人・古いPDFなどの例外を1本ずつ判断した対応表
10区分各行にA〜Eの区分を1つだけ付け、理由・対応先・確かめる人を書いた対応表
11区分区分の数と、設定済み・確認済みの数を分けて報告した報告の文面
12統合統合先が、元のページの用件を満たすかを確かめた統合先のページ
13統合行き先の決まらない旧URLをE保留に置き、決まるまで依頼していない対応表
14依頼区分・行き先・事業上の意図・期限を依頼書に書いた依頼書
15依頼設定した人とは別に確かめる人を決めた(確保できなければ「独立した確認は未実施」と記録した)依頼書
16受入れ着いた先のURL・内容・主な導線を分けて確かめた公開確認票
17受入れ担当に確かめる欄に、尋ねた・回答があった・回答した人と日付がそろった公開確認票
18受付送信・受信・有効を分けて記録し、テストを別にした受付の台帳
19公開公開の許可・差分・復旧・受付の見守りの担当を決めた役割の表
20見直し公開直後・7日後・28日後の見直しの日と、比べる条件を決めた公開確認票

旧URL対応票(空欄)

旧URL対応票(空欄・書き写して使う)
項目記入欄
今のURL(種類:ページ・PDFなど)
見つけた手がかり
開く人の用件
残す内容・残さない内容
区分(A・B・C・D・Eの1つ)
対応先
理由
確かめる人
未確認の証拠

公開確認票(空欄)

設定・画面・受付・見直しの4つのまとまりを1枚にしています。受付のまとまりは、問い合わせや予約に関わる行だけで書きます。

公開確認票(空欄・書き写して使う)
まとまり項目記入欄
設定対応表の番号と今のURL
設定設定済みの申告(誰が・いつ)
設定担当に確かめる欄(尋ねた日・回答した人と日付)
画面着いた先のURL(確かめた日時)
画面着いた先の内容(残す内容があるか)
画面主な導線と、スマートフォンでの表示
画面確認済みを書いた人(確保できなければ「独立した確認は未実施」)
受付試しの送信の日時と、受付の担当に届いたか
受付テストを有効な問い合わせと別に記録したか
見直し公開直後に見つけた問題、連絡した相手、直した内容・日時・人
見直し7日後の点検日と結果
見直し28日後の点検日に比べた期間(確定した最後の日まで)と項目
見直し比べられなかった数字(未取得)と、次に比べる日

票には、お客様の名前や連絡先などの個人情報、パスワードや認証の情報を書かないでください。

リニューアル前に、残すページと導線を整理したいとき

Akatsukiのホームページ制作では、見学・相談へ進みやすい入口を、問い合わせまでの導線から設計します。

ホームページ制作のページを見る

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よくある質問と、今日の一手

古いURLは、すべて新しいページへ転送すればよいですか

すべてを同じように扱う必要はありません。【編集部の提案】旧URL1本ごとに用件と区分を決め、同じ内容を移すもの、まとめるもの、廃止するもの、保留にするものを分けます。行き先が決まらないものは保留にします。

転送と検索順位の関係は、どう考えればよいですか

この記事では、順位が引き継がれることは約束できません。転送は、古いURLを開いた人を新しいページへ案内するための仕組みです。公開の後の検索での変化は、7日後と28日後の見直しで記録し、下がった場合は原因を切り分けます。

旧URLの一覧を、どこまで集めればよいですか

決まった数や範囲の目安はありません。【編集部の提案】まず問い合わせにつながるページと社外に載っているページを集め、次に複数の手がかりで広げます。集めきれない部分は「未確認」と書き、確かめる人と期限を残します。

制作会社に任せているので、自社では確かめなくてもよいですか

設定は任せてかまいません。【編集部の提案】そのうえで、旧URLを開いた人にどの説明を見てもらうかという事業の意図は、社内の事業の担当に確かめておくことをおすすめします。また、設定した人とは別の人が、実際の画面で確かめるようにします。

公開した後に、古いURLが見つかりました

見つけた人は、今のURL・見つけた場所・見つけた日を台帳の係へ渡し、係が対応表に1行足して、同じ手順で区分と行き先を決めて担当へ依頼します。問い合わせにつながるページであれば、見直しの日を待たずに連絡します。

今日の一手:自己点検票と、優先する3つのこと

この記事の点検表と票は、登録や送信なしでそのまま使える自己点検の道具です。今日から始めるなら、次の3つを優先します。

  1. 問い合わせにつながるページと、社外に載っている旧URLを書き出す
  2. 書き出した旧URLに、開く人の用件と区分(A〜E)を1つずつ付ける
  3. 公開の許可・確かめる人・復旧の担当を、名前で決める

今日やること

  1. 問い合わせにつながるページと、名刺・チラシ・取引先のリンクなど社外に載っている旧URLを書き出す
  2. 書き出した旧URLに、開く人の用件と、A維持・B変更・C統合・D廃止・E保留の区分を1つずつ付ける
  3. 公開の許可・確かめる人・復旧の担当を名前で決め、設定の依頼書に区分と事業上の意図を書いて渡す

出典・編集方針

  • この記事の手順、最初の10分の3本、旧URLを集める手がかりの整理と追記の係、5つの言葉の書き分け、A〜Eの区分、A維持の内容確認、統合先の条件、依頼書の項目、受入れの3つの確認、受付の3つの記録、公開の役割と少人数の割り当て、切り替え中の受け渡し表、見直しの日程、保管と受け渡し、20項目の点検表、空欄の票2つは、Akatsuki編集部の実務提案です。特定の会社で効果を測った結果ではなく、検索の順位の維持や、問い合わせの回復を約束するものではありません。
  • 本文で架空と書いた工務店の12本の対応表、記入例、3つのケース、そこに出てくるURL・日付、依頼文は、説明のために作った例です。実在の会社の事例ではなく、業種の平均や推奨の割合でもありません。
  • 冒頭の写真風の画像は生成AIで作成したイメージで、実在の会社や実際の画面ではありません。本文中の図版3点は、Akatsuki編集部が文字と図形で作成した説明図です。
  • 本文の「出典1」などの番号は下の一次情報の番号に対応し、内容は確認日(2026年10月17日)の時点のものです。最終更新日は各ページの末尾の表示を記載しています。本文のうち【公式情報】の段落と、そこで参照した内容だけが公式資料に基づく記述で、それ以外の手順・票・架空の例は編集部の提案です。転送の設定の方法や、検索での扱いの詳細は、実際に作業する担当者がその時点の資料と自社の環境で確かめてください。

一次情報(外部サイト)

記事の作り方と訂正の方針は編集方針にまとめています。

執筆

Akatsuki編集部 株式会社Akatsukiの編集担当です。店舗集客、広告・Web改善、AI活用について、判断に役立つ考え方と確認項目を届けます。

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20項目の点検表と対応票で確かめても、残すページや統合の行き先、問い合わせまでの導線を社内で決めきれない点が残った場合は、点検表の結果をお手元に置いたうえで、ホームページ制作のご相談ページから状況をお知らせください。お客様の個人情報や、サーバー・管理画面のパスワードなどは送らないでください。