SEO順位・検索流入が落ちたときの確認手順|Search Consoleで原因を20項目から切り分ける

木の机の上に立てた2枚の透明な板を見比べ、紺色のブロックが右へ下がっていく板の横で、手が橙色の丸い印を持っている生成イメージ。隣の板には青緑色のブロックが同じ高さで並び、手前にノートと鉛筆、虫眼鏡、カップが置かれています
生成画像によるイメージです。検索の数字が下がった範囲を見比べる場面を表したもので、生成AI(GPT)で作成しました。実在の会社・人物、Search Consoleなどの管理画面や実際の数値ではありません。

この記事の結論

SEOの順位や検索流入が下がったときは、修正の前に切り分けます。まず急ぐ場面かを分け、サイトが表示できない・フォームの受信が止まった・セキュリティの異常が疑われる場合は、短い記録だけ残してすぐに担当者へ連絡し、復旧を判断してもらいます。順位や流入が下がっただけなら、最初の10分で見た画面のプロパティ・期間・フィルタ・数字を記録します。次に、同じ長さ・同じ曜日の期間で比べ、画面で暫定と表示されている日は比較から外し、クリック・表示回数・掲載順位・GA4のセッション・問い合わせの件数を分けて見ます。下がった範囲を全体・ページの群・1つのページに分けますが、範囲が狭くても全体の要因は候補に残し、技術的な状態は範囲にかかわらず確かめます。需要の変化、クエリの構成、更新の時期は候補として扱い、時期が重なる出来事を原因と決めつけません。内容の見直しは1つの変更にし、7日後に反映を、28日後に続ける・戻す・保留を決めます。確認できた不具合の修正は試しの変更と分け、直後に動作を確かめます。日程は見直しの区切りで、回復の時期を示すものではありません。

この記事で確認できること

  • 急ぐ場面の分け方、最初の10分で書き残す項目と書かないもの、同じ長さ・同じ曜日での比べ方と暫定データの扱い、クリック・表示回数・掲載順位・GA4・問い合わせの違いと、問い合わせの側の4つの段
  • 全体・ページの群・1つのページの分け方、急ぐ不具合と観測の分け方、URL検査・404・noindex・canonical・リダイレクトの状態の確かめ方、検索タイプ・端末・国、クエリの印、需要の変化と更新の時期の扱い
  • 検索の意図と独自性の見直し、リニューアルの変更履歴、担当への依頼の文面と期限、架空の3つのケース、7日後・28日後の見直し、登録不要の20項目の点検表と記録票

結論:直す前に「記録・比較・範囲」を分けて、原因の候補を絞る

Search Consoleを開いたら、先月より検索からのクリックが明らかに少ない。よく見ていたページの掲載順位も下がっている。こうした場面では、すぐに記事を書き直したくなったり、「何か悪いことをして評価を下げられたのでは」と不安になったりします。

順位や検索流入が落ちたとき、最初に必要なのは、修正ではなく切り分けです。数字が下がった理由は1つとは限らず、比べ方の問題、計測の違い、サイトの不具合、検索する人の数の変化、検索結果の変化などが重なっていることがあります。理由が分からないまま全ページを書き直すと、どの変更が数字に関わったのかを後から確かめられなくなります。

この記事では、SEOの順位や検索流入が下がったときに、何を、どの順番で、誰が確かめるかを、登録なしで使える20項目の点検表と記録票にまとめます。結論を先にまとめると、次の5つです。

  1. まず急ぐ場面かを分ける。サイトが表示できない、フォームの受信が止まっている、改ざんなどセキュリティの異常が疑われる場合は、短い記録だけ残してすぐに担当者へ連絡し、復旧を判断してもらう。順位や流入が下がっただけの場合は、最初の10分で見た画面の期間・比較の条件・数字を記録してから分析する
  2. 同じ長さ・同じ曜日の期間で比べ、画面で暫定と表示されている最新の値は比較から外す。クリック・表示回数・掲載順位・GA4のセッション・問い合わせの件数は、別のものを数えているとして分けて見る
  3. 下がったのがサイト全体か、ページの群か、1つのページかを分ける。範囲によって、先に疑う原因と担当者が変わるが、範囲が狭くても全体の要因は候補から外さない
  4. 技術的な不具合が見つかれば、範囲にかかわらず担当者へ依頼する。それ以外は、需要・クエリの構成・検索結果の変化を候補として持ち、すぐに結論を出さない
  5. 内容の見直しを試す場合は1回に1つの変更にし、7日後に反映を、28日後に続けるか戻すかを確かめる。日程は見直しの区切りで、回復の時期を示すものではない。不具合の修正は試しの変更とは分け、直した直後に動作を確かめる

この記事が向いている方

主な読者として考えているのは、小さな会社や店舗でホームページやブログを運営し、Search Consoleの数字を見て「順位が下がった」「検索からの訪問が減った」と感じたWeb担当者や経営者です。社内にSEOの専門家がいない場合でも、外部の制作会社や運用会社に依頼する前に、何を確かめて何を伝えればよいかが分かるようにしています。

表示回数はあるのにクリックされないという、減少とは別の問題を扱いたい場合は、サーチコンソールで表示されるのにクリックされないときの原因と改善手順を先に読むと、ページ単位の点検の進め方が分かります。この記事は、以前より数字が下がったときの原因の切り分けに絞っています。

先にお伝えしておくこと

この記事は、Googleの順位を上げる方法や、順位の回復を約束する手順ではありません。Googleの検索の仕組みについては、Googleの公式の資料で確かめた範囲だけを短く書き、それ以外は編集部の点検の提案として書き分けています。

Googleの公式の説明で確かめた内容には【公式情報】、編集部の考えや提案には【編集部の提案】と書いています。本文の「出典1」などの番号は、記事の下の一次情報の番号に対応しています。公式の説明は更新されることがあるため、実際に判断するときは、その時点の資料と自社のSearch Consoleを確かめてください。

最初の10分で書く記録

数字が下がったと気づいた直後は、まず急ぐ場面かどうかを分けます。サイトや主なページが表示できない、問い合わせのフォームの受信が止まっている、改ざんなどセキュリティの異常が疑われる、といった場面では、気づいた時刻と見えた症状だけを短く書き、すぐにサイトの管理者や制作会社へ連絡して復旧を判断してもらいます(後の「急ぐ不具合」の節)。

そうした異常がなく、順位や検索流入が下がっただけの場合は、今見ている画面を記録します。原因を考えるのも、修正を決めるのも、その後です。

書き残す項目

【編集部の提案】先に操作すると、操作の前の状態が分からなくなります。次の項目を、記録票(後の節で説明します)の1行目に書きます。画面の写しなら、期間とフィルタの表示が写る範囲で撮ります。

最初の10分で書き残す項目
項目書くこと見る場所の例
記録した日時今日の日付と今の時刻手元の時計
見たプロパティどのサイトの、どの単位のプロパティかSearch Consoleの左上の表示
見た画面検索パフォーマンスの画面か、ページの登録の画面か左のメニュー
期間今の期間と、比べた期間(例:直近28日と、その前の28日)画面上の日付のフィルタ
その他のフィルタ検索タイプ、ページ、クエリ、国、デバイスの絞り込みの有無画面上のフィルタの並び
数字クリック数、表示回数、平均CTR、平均掲載順位の、2つの期間の値グラフの上の合計
気づいたきっかけ誰が、何を見て、下がったと感じたか気づいた人への聞き取り
最近の変更思い当たるサイトの変更(更新、リニューアル、サーバーの移転など)。分からなければ「分からない」担当者への聞き取り

この表の「その他のフィルタ」は、見落とされやすい項目です。以前に誰かがページやクエリで絞り込んだまま画面を開いていると、サイト全体の数字ではないものを見て「下がった」と判断してしまうことがあります。

記録に残さないもの

記録票は、制作会社や運用会社など社外の人と共有することがあります。そのため、問い合わせをした人の名前・メールアドレス・電話番号、アクセスの生のログ、管理画面のパスワードは書きません。問い合わせの件数を書く場合も、件数だけにします。

気づいた人がその場でしないこと

【編集部の提案】気づいた人が、その場で次のことをするのは避けます。

  • ページを消す、URLを変える、ページを非公開にする
  • サイトの設定(検索結果に出さない設定、転送の設定など)を変える
  • 複数のページのタイトルや本文を一度に書き直す
  • 原因が分からないまま、外部の会社に「全部直してください」と依頼する

同じ条件で比べる:期間・曜日・最新の暫定データ

「下がった」と言うときは、何と比べて下がったのかを決めます。比べ方がずれていると、実際には変わっていない数字が下がって見えることがあります。

同じ長さ・同じ曜日の期間で比べる

【編集部の提案】比べる期間は、同じ長さにします。さらに、平日と休日で検索の数が変わるサイトでは、曜日の並びもそろえます。例えば「直近28日」と「その前の28日」は、どちらも4週間なので曜日の並びがそろいます。一方、「今月の1日から今日まで」と「先月まるごと」を比べると、日数も曜日の数も違うため、比べる意味が薄くなります。

連休や年末年始を含む期間は、含まない期間と比べると差が出やすくなります。比べる期間の中に連休や、自社の休業日、キャンペーンの期間があれば、記録票に書いておきます。

暫定の値を、確定した値と同じに扱わない

【公式情報】Search Consoleのヘルプでは、最新のデータは暫定値の可能性があり、暫定データはグラフで点線で示されます。検索結果は場所・端末・時刻などで異なるとされています(出典3)。

【編集部の提案】このため、暫定の値を含む期間で「急に下がった」と判断するのは避けます。比べる前に、グラフの点線の部分や画面の更新日の表示を見て、まだ確定していない日を確かめ、その日を比較から外します。何日分を外すかはGoogleが決めた固定の日数ではなく、画面の表示で決めます。この記事のケースで使う「直近の3日を外す」は、説明のための比べ方の例です。自分で検索して順位を見るだけでは判断せず、Search Consoleの数字を判断の土台にします。

前の年の同じ時期とも比べる

直前の期間との比較だけでは、季節による増減と、本当の変化を区別できません。日付のフィルタを過去16か月にすると、前年の同じ時期も並べられます(出典1)。前の年も同じ時期に同じように下がっていれば、季節の影響の可能性を候補に入れます(後の節で扱います)。サイトを作ってから1年たっていない場合は、比べられないことを記録票に書きます。

クリック・表示・順位・GA4・問い合わせは、別のものを数えている

検索流入が下がったという話をするとき、人によって見ている数字が違うことがよくあります。まず、どの数字が下がったのかを分けます。

検索流入に関わる5つの数字と、何を数えているか(編集部のまとめ)
数字何を数えているか(概要)下がったときにまず考えること
表示回数検索結果にページが表示された回数検索される数(需要)、表示される検索の種類、掲載順位の変化
クリック数検索結果からページへのクリックの回数表示回数の変化、掲載順位の変化、検索結果の見え方の変化
平均掲載順位サイトの最上位の掲載位置の平均表示されるクエリの組み合わせの変化も平均に影響する
GA4の自然検索のセッションサイト側で計測した、検索から来た訪問計測の設定、同意の取得、サイト側の変更
問い合わせ・予約の件数受付の台帳で数えた件数検索以外の入口、フォームの不具合、季節
表示回数、クリック数、GA4の自然検索のセッション、問い合わせの件数を上から順に4段で並べ、段ごとに数えている場所と、下がったときに確かめる担当を示した説明図
図:検索から問い合わせまでの4つの段を分けて見る(Akatsuki編集部作成)図を拡大して見る

図の内容:上から「表示回数(Search Console)」「クリック数(Search Console)」「自然検索のセッション(GA4)」「問い合わせ・予約の件数(受付の台帳)」の4つの段を並べています。上の2段はSearch Console、3段目はサイト側の計測、4段目は社内の受付の記録で数えていることを、段の右に書いています。2段目と3段目の間には、計測の方法が違うため数字は一致しないこと、比べるのはそれぞれの増減の向きであることを注記しています。平均掲載順位は段ではなく、上の2段に影響する値として横に置いています。下の注記に、どの段で下がったかによって、確かめる担当(Web担当者、計測の担当者、受付の担当者)が変わることが書かれています。

Search ConsoleとGA4の数字は一致しない

【公式情報】Googleの説明では、Search Consoleのクリック数とGoogleアナリティクスのセッション数は計測の方法が違い、一致しないことがあるとされています(出典4)。

【編集部の提案】ですから、2つのツールの数字の差そのものを「流入が減った証拠」にはしません。比べるのは、それぞれのツールの中での増減の向きです。Search Consoleのクリックは変わらないのにGA4の検索のセッションだけが減った場合は、検索の問題より先に、計測の設定やサイト側の変更を疑います。GA4の問い合わせの数と受付の件数がずれる場合は、GA4の問い合わせコンバージョンが受付件数と合わないときに確かめる順番で扱っています。

平均掲載順位だけで判断しない

【公式情報】平均掲載順位は、検索結果におけるサイトの最上位の掲載位置の平均です(出典3)。

【編集部の提案】つまり、誰が検索しても同じ「何位」という決まった順位ではなく、表示された検索ごとの位置をならした値です。平均掲載順位は、表示されたクエリの組み合わせが変わるだけでも動きます。例えば、以前は表示されていなかった遠い順位のクエリで新しく表示され始めると、平均の順位は下がって見えますが、それまでのクエリの順位は変わっていないこともあります。順位を見るときは、全体の平均ではなく、主なクエリごとに分けて見ます(後の「クエリの構成の変化」の節)。

会社にとって大事なのは、問い合わせまでの段のどこか

【編集部の提案】数字が下がったとき、最後に確かめたいのは問い合わせや予約の件数です。検索からのクリックが減っても、依頼を考えている人が使いそうなクエリ(自社の見立て)のクリックが変わっていなければ、急いで直す必要は小さいかもしれません。逆に、クリックは変わらないのに問い合わせが減っている場合は、検索の順位ではなく、ページやフォームの側を先に確かめます。フォームの入力やエラーの点検は、問い合わせフォームを改善する手順で扱っています。

問い合わせの側も、4つの段に分けて数える

【編集部の提案】「問い合わせが減った」と言うときも、どの段の数字かを分けます。

問い合わせの側の4つの段(編集部の提案)
段数えるもの数える場所の例
相談のボタンのクリックページの相談・予約のボタンが押された回数GA4などのイベント(設定している場合)
送信の成功フォームの送信が受け付けられた回数完了画面の表示の計測だけでなく、サーバー側の受付の記録と照らし合わせる
受信受付のメールや管理画面に届いた件数受付の台帳
有効な相談担当者が中身を確かめ、営業やいたずらを除いた件数受付の台帳の担当者の確認欄

完了画面が表示された回数だけでは、送信が受け付けられたとは言い切れません。動作確認のために社内で送った分や、ページを見ただけの訪問は、有効な相談に数えません。計測を設定していない段や、まだ数えていない段は、0ではなく「未取得」と書きます。0と書くと、数えていないのか、本当に1件もなかったのかが分からなくなります。また、検索のクエリと問い合わせを結び付けたデータがない場合は、「このクエリから相談が来た」と決めつけず、同じ期間の件数を並べる程度にとどめます。

記録票には、5つの数字を別の列に書き、確かめていない数字は「未確認」と書きます。

全体か、ページの群か、1つのページかを分ける

次に、下がった範囲を分けます。範囲によって、疑う原因も、確かめる担当者も変わるためです。

サイト全体・ページの群・1つのページの3つの範囲ごとに、疑う原因の候補と確かめる担当者を並べた説明図
図:下がった範囲で、疑う原因と担当者を分ける(Akatsuki編集部作成)図を拡大して見る

図の内容:左から「サイト全体」「ページの群(同じフォルダーや同じ種類のページ)」「1つのページ」の3つの範囲を並べています。サイト全体の欄には、サイトが表示できない・検索結果に出さない設定・サーバーやドメインの変更・計測の変更・広い需要の変化を候補として書き、担当はサイトの管理者と制作会社です。ページの群の欄には、テンプレートの変更・URLの変更と転送・その分野の季節や需要の変化を書き、担当は制作会社とWeb担当者です。1つのページの欄には、ページの更新・重複するページ・検索の意図とのずれ・競合する検索結果の変化を書き、担当はWeb担当者とページを書いた人です。下の注記に、範囲を決めるときは、ページ別とクエリ別の両方で同じ期間を比べること、範囲が狭くても全体の要因は候補に残し、技術的な確認は範囲にかかわらず行うことが書かれています。

範囲の分け方

【編集部の提案】Search Consoleの検索パフォーマンスの画面で、次の順に確かめます。

  1. フィルタをすべて外し、サイト全体のクリック数と表示回数を、2つの期間で比べる
  2. ページのタブで、前の期間のクリック数が多い順に並べ、上から20ページほどについて、2つの期間のクリック数を書き写す
  3. 書き写したページを、URLのフォルダー(例:/blog/、/service/)や、ページの種類(記事、サービスの説明、店舗の案内など)でまとめる
  4. 下がったクリック数のうち、どのページ・どの群の減少がどれだけを占めるかを計算する

例えば、サイト全体で300クリック減っていて、そのうち270クリックが3つのページの減少で説明できるなら、まずその3つのページを優先して確かめます。ただし、減少が3つのページに集中していても、サイト全体に関わる原因(共通のテンプレートの設定など)がないとは言い切れないため、全体の要因も候補として残します。逆に、ほとんどのページが同じような割合で下がっている場合は、サイト全体に関わる原因を先に疑います。

急ぐ不具合と、観測を続けるだけでよい変化を分ける

範囲が分かったら、今すぐ担当者に依頼すべき不具合か、しばらく数字を見守ってよい変化かを分けます。

急ぐ場面の例

【編集部の提案】次のような場面は、点検の途中でも先に担当者へ連絡します。

  • サイトや主なページが、スマートフォンやパソコンで表示できない、またはエラーの画面が出る
  • 問い合わせや予約のフォームが送れない、送っても受付に届かない
  • サイトの一部が、自社で作った覚えのない内容に変わっている、知らないページが増えている
  • Search Consoleで、手動による対策やセキュリティの問題の通知を受け取った
  • 以前は検索結果に出ていた主なページが、ページの登録の画面で除外の扱いになっている

このうち、改ざんの疑いやセキュリティの問題は、サイトを訪れた人に影響する可能性があるため、検索の数字の話とは分けて、サイトの管理者や制作会社に至急で依頼します。記事の中の点検の手順だけで対応を決めず、専門の担当者の判断を優先してください。

観測を続けるだけでよい変化

【公式情報】Googleの減少の調べ方の資料では、小さな順位の変動だけで根本的な改修をしないよう案内され、原因の候補に技術的な問題、セキュリティやスパムの問題、季節性や関心の変化が挙げられています(出典1)。

【編集部の提案】急ぐ場面に当たらず、減り方が小さく、範囲もはっきりしない場合は、「観測を続ける」と記録票に書き、次に見る日を決めます。何もしないのではなく、同じ条件で見続けることを決める、という判断です。「小さい」かどうかは、後の節の普段の上下の幅と比べて判断します。

順位が下がった=評価を下げられた、と決めつけない

【公式情報】コアアップデートについてのGoogleの説明では、コアアップデートは特定のサイトを対象にした処置ではないことが説明されています。分析するときは、ロールアウトの完了を確かめ、完了後1週間以上待ってから、開始前の1週間と比べることがすすめられています(出典2)。

【公式情報】Search Consoleのヘルプでは、サイトに手動による対策が行われた場合は、手動による対策のレポートとSearch Consoleのメッセージでお知らせすると説明されています(出典9)。

【編集部の提案】順位が下がると、「ペナルティを受けたのでは」と考えがちですが、順位の低下だけで決めつけないでください。まず手動による対策のレポートを担当者が確かめます。通知がないのに「何かの罰」と考えて大きな修正を始めると、原因と関係のない変更が増えます。また、話題になっているアップデートがあっても、自社の数字の変化がそれによるものかどうかは、この記事の手順だけでは判断できません。Googleの公式の発表で、そのアップデートが実際にあったか、いつ完了したかを確かめ、上の案内のとおり完了から1週間以上たってから比べます。この記事は、特定のアップデートが今起きているかどうかを判断するものではありません。

技術的な確認:HTTPの状態・404・noindex・canonical・リダイレクト

検索に関わる技術的な状態は、下がった範囲にかかわらず確かめます。共通のテンプレートの設定の誤りやサーバーの停止は、全体の減少にもつながります。この節の確認は、設定を変える作業ではなく、状態を見て記録する作業です。設定を変えるのは、サイトの管理者や制作会社に依頼してください。

URL検査で、登録されている状態と、今の状態を分ける

【公式情報】Search ConsoleのURL検査ツールでは、Googleに登録されているURLの情報と、公開中のURLを調べるテストの結果は別のものとして示され、テストで問題が見つからなくても検索結果への掲載が保証されるわけではないと説明されています(出典8)。

【編集部の提案】下がったページについて、URL検査で次のことを書き写します。登録されている情報が古い場合、今のページを直していても、検索結果にはまだ反映されていないことがあります。

  • 登録されている情報:登録されているかどうか、Googleが選んだ正規のURL、前回のクロールの日時
  • ライブテストの結果:今のページを取得できるか、検索結果に出さない設定が見つかるか

404やエラーになっていないか

ページを消した、URLを変えた、といった変更の後は、以前のURLが「ページが見つからない(404)」になっていることがあります。ブラウザで以前のURLを開き、ページが表示されるか、別のページへ移るか、エラーになるかを確かめます。表示されない場合は、いつからか、意図した変更かを担当者に確かめます。

検索結果に出さない設定(noindex)

【公式情報】noindexは、ページを検索結果に出さないための指定で、robots.txtでクロールが制限されているページでは、Googleがnoindexの指定を読めないと説明されています(出典5)。

【編集部の提案】確認用のサイトから設定をそのまま移した、テンプレートを変えた、といった場合に、本来は出したいページにnoindexの指定が残っていることがあります。URL検査で見つかった場合は、意図したものかどうかを制作会社に確かめます。robots.txtの変更とnoindexの変更は、影響が広いため、記事を読んだ人が自分の判断で変えるのではなく、サイトの管理者が変更の記録を残して行います。

正規のURL(canonical)

【公式情報】Googleの説明では、canonicalの指定は、重複するページのうち優先するURLを伝えるシグナルとされています(出典7)。

【編集部の提案】URL検査で、自社が指定した正規のURLと、Googleが選んだ正規のURLが違う場合は、記録票に両方を書きます。似た内容のページが複数あると、検索の数字が別のURLに付いていることがあります。その場合、下がったように見えるページの数字が、別のURLへ移っていないかを、ページのタブで確かめます。

リダイレクト(転送)

【公式情報】Googleのリダイレクトの説明では、リダイレクトは古いURLから別のURLへ移ったことを伝える方法で、サーバー側で永続的なリダイレクトと一時的なリダイレクトを作成できると説明されています(出典6)。

【編集部の提案】URLを変えた、サイトを移転した、といった場合は、以前のURLから、同じ内容に当たる新しいURLへ移るかを、主なページについて1本ずつ確かめます。関係のないトップページへまとめて移していないかも見ます。以前のURLの一覧が残っていない場合は、Search Consoleのページのタブで、前の期間にクリックがあったURLを書き出すと、確かめる対象の一覧の代わりになります。転送の設定を追加・変更するのは、サイトの管理者や制作会社の作業です。

検索タイプ・端末・国で分ける

サイト全体やページの群の数字が下がっている場合は、どの種類の検索で下がっているかを分けます。

【編集部の提案】検索パフォーマンスの画面のフィルタを使い、次の順で、2つの期間を比べます。

  1. 検索タイプを切り替え、ウェブ・画像などのどこで下がっているかを確かめる
  2. デバイスのタブで、パソコン・スマートフォン・タブレットのどこで下がっているかを確かめる
  3. 国のタブで、主に検索されている国の数字を確かめる。国内向けのサイトでも、海外からの表示が混ざっていることがある

分けた結果の読み方

スマートフォンだけで大きく下がっている場合は、スマートフォンでの表示の崩れや、読み込みの遅さなど、スマートフォンでのページの状態を担当者に確かめてもらいます。画像の検索だけで下がっている場合は、画像のファイル名や置き場所を変えていないかを確かめます。海外からの表示が減っただけの場合は、国内向けの会社にとって、急ぐ問題ではないかもしれません。

地域による違い

店舗や地域の会社では、市区町村ごとの違いが気になることがあります。この記事の点検では国の単位までを見て、それより細かい地域の違いは、推測で原因に入れずに別に記録します。Googleマップや店舗の情報からの訪問も、この記事の点検とは分けて記録します。

クエリの構成の変化を見る

クリック数が下がったとき、すべてのクエリで少しずつ下がったのか、特定のクエリで大きく下がったのかによって、考える原因が違います。

クエリごとに書き写す

【編集部の提案】下がったページ(またはページの群)に絞り込み、クエリのタブで、前の期間のクリック数が多い順に10〜20行を書き写します。2つの期間の、クリック数・表示回数・掲載順位を並べ、次の印を付けます。

クエリの変化の印(編集部の提案)
印当てはまる状態次に考えること
順表示回数はあまり変わらず、掲載順位が下がった検索結果の変化、ページの内容と検索の意図のずれ
需掲載順位はあまり変わらず、表示回数が下がった検索する人の数の変化、季節
消前の期間にあったクエリが、今の期間ではほとんど表示されないページの変更、URLの変更、登録の状態
新今の期間に新しく表示され始めたクエリ平均掲載順位を動かす要因として記録

問い合わせにつながるクエリかを分ける

印を付けたクエリのうち、問い合わせや予約につながりやすいと考えられるものに、別の印を付けます。例えば「地域名+サービス名」「サービス名+料金」のように、依頼を考えている人が使いそうなクエリです。これは自社の見立てで、実際にそのクエリから相談が来たことを示すものではありません。受付の担当者に聞いたり、問い合わせの内容と照らし合わせたりして、見立てを確かめていきます。

クエリの表と合計の差

【編集部の提案】書き写したクエリの行を足した数が、グラフの合計と合わないことがあります。クエリの表だけで減少の全部を説明しようとせず、説明できない残りは「クエリの表と合計の差」として記録票に書いておきます。差が出る理由の確かめ方は、冒頭で紹介したクリックされないときの記事で、出典とともに扱っています。

季節や需要の変化は、確定させずに候補として持つ

表示回数が下がっているのに、掲載順位があまり変わっていない場合は、検索する人の数そのものが減っている可能性を考えます。

需要の変化の可能性を確かめる方法

【編集部の提案】次のような方法で、需要の変化の可能性を確かめます。

  • 前の年の同じ時期にも、同じように表示回数が下がっていないか(Search Consoleでデータが見られる場合)
  • 業界の繁忙期・閑散期、天候、制度の変更など、検索の数に関わりそうな出来事がなかったか
  • 店舗や電話での問い合わせなど、検索以外の入口の件数も同じ時期に減っていないか

減少が自社だけのことかを、Googleトレンドで確かめる方法も案内されています(出典1)。

「季節のせい」で終わらせない

これらの確認で、需要の変化の可能性が高いと考えられても、それは原因の候補であって、確定ではありません。記録票には「需要の変化の可能性(前の年の同じ時期も減少)」のように、根拠と一緒に候補として書きます。翌月以降に、前の年と同じように数字が戻るかを見て、候補を確かめます。戻らない場合は、ほかの候補をもう一度確かめます。

逆に、需要が減っている時期にページを大きく書き直すと、数字が戻ったときに、それが書き直しの結果なのか、需要が戻った結果なのかが分からなくなります。需要の変化の可能性がある時期は、大きな変更を急がない判断も選べます。

更新した時期と、数字が動いた時期を因果と混同しない

「先月ページを更新したから順位が下がった」「サーバーを変えた後に下がった」と、時期が重なった出来事を原因と考えたくなります。時期が重なることは手がかりですが、それだけでは原因とは言えません。

出来事を時刻の順に並べる

【編集部の提案】記録票とは別に、サイトの出来事を日付の順に並べた一覧を作ります。

  • ページの更新・公開・削除の日と、対象のURL
  • テンプレートやデザインの変更の日
  • サーバー、ドメイン、SSLの設定、制作会社の変更の日
  • 広告やキャンペーン、SNSでの紹介など、検索以外で訪問が増えた・減った日
  • Googleが公式に発表したアップデートの開始日と完了日(公式の発表で確かめたものだけ)

この一覧と、数字が動き始めた日を並べます。数字が動き始めた日の前後に1つの出来事しかない場合は、その出来事を有力な候補として扱います。複数の出来事が重なっている場合は、どれが関わったのかを、範囲(全体・群・単独)やクエリの変化と照らし合わせて絞ります。

競合する検索結果と、検索の意図・独自性を見直す

技術的な問題が見つからず、特定のクエリで掲載順位が下がっている場合は、検索結果そのものの変化と、ページの内容を見直します。

実際の検索結果を見る

【編集部の提案】下がったクエリで実際に検索し、検索結果の上位に、どのような種類のページが並んでいるかを書き写します。自分の検索の結果は、傾向をつかむ程度に使います。

  • 上位に並ぶページの種類(サービスの紹介、比較、手順の解説、地図、動画、質問への短い答えなど)
  • 自社のページが、そのクエリで検索する人の知りたいことに、最初の画面で答えているか
  • 以前と比べて、検索結果の見え方(地図や動画、よくある質問の欄など)が変わっていないか

意図とのずれを確かめる

例えば、「サービス名+料金」で検索する人が料金の目安を知りたいのに、ページの最初の画面にはサービスの思いだけが書かれていて、料金の説明は下の方にしかない、といったずれがあります。ずれがある場合は、ページの冒頭に、そのクエリで検索する人の問いへの短い答えを置くことを検討します。

独自性を書き出す

ページを直す前に、そのページにしかない情報を書き出します。自社の手順、対応できる範囲、実際の受付の流れ、地域の事情、よくある相談への自社の答え方などです。ほかのページと同じ説明を増やすより、自社で確かめた情報を、検索する人の問いに沿って整理するほうが、読む人にとって価値があります。文字数を増やすこと自体を目標にはしません。

リニューアルや移転の後は、変更履歴を先に確かめる

サイトのリニューアル、ドメインの変更、サーバーの移転、テンプレートの変更の後に数字が下がった場合は、この節の確認を他より先に行います。

制作会社に確かめること

【編集部の提案】リニューアルや移転を担当した会社に、次のことを文書で確かめます。

  1. URLが変わったページの一覧と、以前のURLから新しいURLへの転送の設定
  2. 消したページの一覧と、消した理由
  3. ページのタイトル、見出し、本文で大きく変えたページ
  4. 検索結果に出さない設定(noindex)やrobots.txtを、公開の前後で変えたか
  5. 正規のURLの指定(canonical)を変えたか
  6. 計測のタグ(GA4など)を入れ直したか、入れ直した日

移転の後の数字は、短い期間で判断しない

URLの変更の後は、切り替わるまで順位が変動することがあります。転送の設定に問題がないことを確かめたうえで、短い期間の上下だけで追加の変更を重ねないようにし、7日後・28日後の見直しの区切りで同じ条件で比べます。

担当者への依頼の仕方

ここまでの点検で、確かめたいことや、直してほしいことが見えてきます。社内の担当者や外部の会社に依頼するときは、記録票をもとに、何を、いつまでに、どうしてほしいかをはっきり書きます。

依頼の文面に入れること

【編集部の提案】依頼の文面には、次のことを入れます。

  1. 見た画面の条件と数字(期間、比べた期間、フィルタ、クリック数・表示回数・掲載順位)
  2. 下がった範囲(全体・群・単独)と、対象のURL
  3. ここまでに確かめたことと、まだ確かめていないこと
  4. 確かめてほしいこと、または直してほしいこと(1つずつ番号を付ける)
  5. 返事がほしい期限と、それまでに自社で操作するかどうか
  6. 直した場合は、直した日・直した内容・直した人を記録票に書いてほしいこと

依頼の文面の例

【編集部の提案】次は、架空の整骨院の院長が、サイトを作った制作会社に送る文面の例です。数字と日付は仮の値です。

「Search Consoleの検索パフォーマンスで、直近28日とその前の28日を比べたところ、サイト全体のクリック数が1,200から780に下がっていました(検索タイプはウェブ、その他のフィルタなし)。ページ別に見ると、リニューアルの前にあった施術の案内の6ページで、前の期間に合わせて380クリックありましたが、今の期間は0でした。以前のURLをブラウザで開くと、ページが見つからない表示になります。次の2点を確かめて、来週の水曜日までにご返信ください。1.以前の6つのURLから、新しいURLへの転送が設定されているか。2.設定されていない場合、設定するとしたらいつ対応できるか。ご返信までは、こちらでサイトの設定は変えません。」

担当と期限の目安

担当と期限の目安(編集部の提案)
役割担当すること期限の目安
気づいた人最初の10分の記録を作り、Web担当者に送る気づいた当日
Web担当者(社内)同じ条件での比較、範囲の分け方、クエリの印、出来事の一覧を作る気づいてから数営業日を目安に、社内で決める
サイトの管理者・制作会社急ぐ不具合の確認、URL検査、転送・noindex・canonicalの状態の確認と、必要な場合の修正急ぐ不具合はその日のうちに連絡。それ以外は依頼の時に双方で決める
ページを書いた人検索の意図と内容のずれ、独自の情報の書き出し直すページを決めた後に決める
判断する人(経営者など)直す・観測を続ける・保留を決め、理由を記録票に書く担当者の報告を受けた日

表の期限は目安です。期限を過ぎたときに誰が声をかけるかを、記録票に書いておきます。

手順どおりに進めない方がよい例外

次の場合は、この記事の手順より先に、別の対応が必要です。

  • 改ざんやセキュリティの問題の疑いがある場合。サイトの管理者や専門の担当者の対応を優先します
  • 法律・健康・お金など、誤った情報で読む人に不利益が出るおそれのあるページで、内容の誤りが見つかった場合。数字の点検より先に、内容を正します
  • サイトの移転やリニューアルの作業が、まだ終わっていない場合。作業が終わってから、同じ条件で比べます
  • 同じ時期に、広告や大きなキャンペーンなど、別の変更を予定している場合。どの変更の結果かが分からなくなるため、時期をずらすか、記録票に並べて書きます

検索の数字が下がった理由と次の一手を、一緒に絞りたいとき

Akatsukiのマーケティング相談では、広告・ホームページ・Googleマップ・SNS・AI活用の悩みを伺い、止まっている場所、次に試すことと理由、確かめる数字を一緒に整理します。

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架空の3つのケースで見る、判断の進め方

ここからは、架空の3つの会社で、点検の進め方と判断の理由を見ていきます。会社名・数字・日付はすべて説明のための仮の値で、実在の会社の事例や、業種の平均ではありません。

3つのケースに共通する前提(固定の条件):比べる期間は、直近の3日を外した28日間と、その前の28日間です。検索タイプはウェブで、その他のフィルタはかけていません。問い合わせの件数は、受付の台帳で数えています。

ケース1:リニューアルの後にサイト全体が下がった整骨院

条件(仮の値):前の28日間のサイト全体のクリック数は1,200、今の28日間は780で、420の減少(35%)でした。今の28日間の初めに、サイトのリニューアルを公開しています。サイトのページは40ページです。

点検の進め方:

  1. 最初の10分の記録を作る。気づいたきっかけは、院長が月の初めに数字を見たこと
  2. ページ別に、前の期間のクリック数が多い順に書き写す。施術の案内の6ページが、前の期間に合わせて380クリックあり、今の期間は0だった(減少は380−0=380)
  3. 6ページの以前のURLを開くと、ページが見つからない表示(404)になる。新しいサイトでは、同じ内容のページが別のURLにある
  4. 残りの減少(420−380=40)は、ほかのページの増減の合計で、前の数か月の28日ごとの比較でも同じくらいの上下があった
  5. 制作会社に、転送の設定の有無を確かめる依頼を送る

判断と理由:減少420のうち380が、URLが変わった6ページで説明できたため、まず転送の漏れを優先して確かめると決めました。ただし、リニューアルでテンプレートも変わっているため、サイト全体の要因も候補として記録票に残しました。院長は、ほかのページの書き直しはせず、制作会社に6つのURLの転送の設定を依頼しました。転送の漏れは確認できた不具合なので、試しの変更とは分け、設定した直後に制作会社が6つの以前のURLから新しいURLへ移ることを確かめました。そのうえで、7日後にURL検査の状態を、28日後に6ページの群のクリック数を、前の同じ長さの期間と比べることにしました。転送を設定しても、以前と同じ数字に戻るとは限らないことも、院長と制作会社で共有しました。

ケース2:季節の需要の変化の可能性が高かったリフォーム会社

条件(仮の値):外壁の塗装について解説した記事の群(12ページ)で、前の28日間のクリック数は640、今の28日間は450でした。表示回数は21,000から14,700へ下がり、平均CTRは約3%のまま、群の平均掲載順位は8.2から8.4で、ほとんど変わっていません。

点検の進め方:

  1. 範囲を分ける。サイト全体ではなく、外壁の塗装の記事の群で下がっている
  2. 掲載順位は変わらず、表示回数が下がっているため、クエリの印は「需」が多い
  3. 前の年の同じ時期を見ると、表示回数は19,500から13,800へ、同じくらいの割合で下がっていた
  4. 変更履歴の一覧では、この期間に記事の群の更新、テンプレートの変更はない
  5. 受付の台帳では、サイト全体の有効な相談が前の期間9件、今の期間8件。検索のクエリと相談を結び付けたデータはない

判断と理由:前の年も同じ時期に同じような割合で下がっていて、掲載順位も変わっていないため、季節による需要の変化の可能性が高いと考えました。ただし確定ではないため、記録票には「需要の変化の可能性」と書きました。相談の9件と8件は件数が少なく、変わっていないとも減ったとも判断できないため、相談の件数は判断の根拠にしていません。この記事の群の書き直しはせず、観測を続けると決めました。翌月に、前の年と同じように数字が戻るかを、同じ条件で確かめます。戻らなかった場合は、クエリの印と検索結果の変化をもう一度確かめます。

ケース3:1つのページで、主なクエリの順位が下がった社会保険労務士事務所

条件(仮の値):就業規則の作成について説明したページで、前の28日間のクリック数は210、今の28日間は95でした。表示回数は6,800から6,300で大きくは変わらず、平均掲載順位は4.1から9.6へ下がっています。サイト全体のクリック数は3,400から3,260で、4%ほどの減少です。

点検の進め方:

  1. 範囲を分ける。サイト全体の減少は小さく、このページの減少が大きい
  2. クエリを書き写すと、「就業規則 作成 費用」の掲載順位が3.2から11.5へ下がり、表示回数は2,400から2,300でほぼ同じ。印は「順」
  3. URL検査で、登録されている状態、Googleが選んだ正規のURLに問題は見つからない。ライブテストでも検索結果に出さない設定は見つからない
  4. 出来事の一覧を見ると、今の期間が始まる少し前に、このページから費用の目安の表を別のページへ移し、タイトルも変えていた
  5. 実際に「就業規則 作成 費用」で検索すると、上位には費用の目安を最初の画面で説明しているページが多く並んでいた

判断と理由:費用の表を移したことで、「費用」を知りたい人の問いに、このページが最初の画面で答えられなくなった可能性があると考えました。ただし、タイトルの変更も同じ時期に行っていたため、どちらが関わったのかは分かりません。所長と担当者は、変更を1つに絞ることにし、まず費用の目安の要約と、詳しい費用のページへのリンクを、ページの冒頭に戻すことにしました。タイトルは今回は変えず、28日後の判定の後に、必要なら別の変更として検討します。7日後にURL検査で新しい内容が登録されているかを、28日後にこのクエリの掲載順位とクリック数を確かめます。相談の件数は受付の台帳で並べますが、ページと相談を結び付けたデータがないため、このページの結果とは決めつけません。

7日後と28日後に見直す

直すと決めた場合も、観測を続けると決めた場合も、決めた日に同じ条件で見直します。

変更した日、7日後、28日後の3つの時点で、確かめることと判断の選択肢を並べた説明図
図:変更した日から28日後までの見直し(編集部の提案)(Akatsuki編集部作成)図を拡大して見る

図の内容:左から「変更した日」「7日後」「28日後」の3つの時点を並べています。変更した日には、変更を1つにし、変更した日・内容・人を記録票に書き、比べる条件を固定します。7日後には、変更がページに反映されたか、URL検査で登録の状態が変わったか、急ぐ不具合が出ていないかを見ます。この時点では良し悪しを決めません。28日後には、変更の前の同じ長さの期間と、クリック数・表示回数・掲載順位・問い合わせの件数を比べ、続ける・戻す・保留のどれかを決めます。下の注記に、日程は見直しの区切りであり、回復の時期を示すものではないこと、件数が少ない場合は28日後も保留にすること、不具合の修正は試しの変更と分けて直後に動作を確かめ、数字が悪くても戻さないことが書かれています。

7日後に見ること

【編集部の提案】7日後には、主に「変更が反映されたか」を見ます。

  • 変更した内容が、パソコンとスマートフォンの両方でページに表示されているか
  • URL検査で、登録されている情報が変更の後のものに変わったか(まだ変わっていない場合は、変わっていないことを書く。変わっていても、検索結果に表示されることの保証ではない)
  • 変更の後に、ページが表示できない、フォームが動かない、といった新しい不具合が出ていないか

7日後の時点では、数字の良し悪しを決めません。登録の状態が変わるまでの時間はページによって違い、7日の間の数字は、変更の前と後が混ざっているためです。

28日後に見ること

28日後には、変更の後の28日間と、変更の前の28日間を、同じ条件で比べます。比べる数字は、変更の前に記録票に書いたものと同じにします。28日後の時点で暫定の値が残り、確定した28日分がそろわない場合は、判断を保留して再評価の日を決めます。

  • 対象のページ(またはページの群)のクリック数・表示回数・平均掲載順位
  • 主なクエリごとのクリック数と掲載順位
  • 受付の台帳で数えた、問い合わせ・予約の件数
  • 同じ期間に、ほかの変更や出来事がなかったか(出来事の一覧)

続ける・戻す・保留の決め方

この表は、内容の見直しなど「試しの変更」に使います。404の転送漏れ、誤ったnoindex、セキュリティの問題など、確認できた不具合の修正は試しではないため、28日後の数字が悪くても元に戻しません。不具合の修正は、直した直後に、以前のURLの移り先やページの表示、フォームの送信などの動作を担当者が確かめます。数字が戻らない場合は、修正を戻すのではなく、ほかの候補を確かめます。

試しの変更の28日後の判断の目安(編集部の提案)
28日後の状態考えられる判断判断の前に確かめること
対象の数字が変更の前より良く、受付の台帳の有効な相談の件数も下がっていない(件数が少なければ参考)続ける。次の変更を1つ検討する同じ期間に、ほかの出来事がなかったか
対象の数字が変更の前と変わらない保留にして、次の28日も見る。または別の候補を確かめる登録の状態が変更の後のものになっているか
対象の数字が変更の前より悪い試しの変更を戻すかを判断する人が決める(不具合の修正は戻さない)需要の変化など、変更以外の候補がないか
同じ条件の確定した28日分がまだそろっていない保留にし、再評価の日を決める暫定の値を含んでいないか
件数が少なく、差が偶然か分からない保留にする期間を延ばして比べられるか

【編集部の提案】ここでの日程は、見直しのための区切りです。7日後や28日後に順位や流入が戻ることを示すものではありません。回復するかどうか、いつ回復するかは、この記事の手順では約束できません。決めた日に同じ条件で見て、記録を続けることが、次の判断の材料になります。

登録なしで使える20項目の点検表

【編集部の提案】次の表は、この記事の内容をまとめた点検表です。登録や申し込みは必要ありません。表をコピーして、自社の点検に使ってください。ダウンロード用のファイルはありません。

SEOの順位・検索流入が落ちたときの20項目の点検表
番号確認すること確かめる場所当てはまらないときの対応
1見た画面のプロパティ・期間・フィルタ・数字を、操作の前に記録した記録票の1行目今の画面を書き写す
2記録票に、個人情報・生のログ・パスワードを書いていない記録票件数だけに書き直す
3同じ長さ・同じ曜日の並びの2つの期間で比べた日付のフィルタ28日間同士などで比べ直す
4画面で暫定と表示されている日を確かめ、比較から外した日付のフィルタと画面の表示確定した後に同じ条件で開き直す
5連休・休業日・キャンペーンの期間を記録票に書いた社内の予定期間の中の出来事を書く
6前の年の同じ時期の動きを並べた(見られる場合)日付のフィルタ見られない場合はその旨を書く
7クリック・表示回数・掲載順位・GA4のセッション・問い合わせの件数を分けて書いた記録票確かめていない数字は未確認と書く
8Search ConsoleとGA4の数字の差そのものを、減少の証拠にしていない記録票ツールごとの増減の向きで比べる
9下がった範囲を、全体・ページの群・1つのページに分けたページのタブ減少の内訳を計算する
10急ぐ不具合(表示できない・フォームが動かない・改ざんの疑い・通知)がないかを確かめたサイトとSearch Console担当者にすぐ連絡する
11順位の低下を、通知の確認なしにペナルティと決めつけていないSearch Consoleの通知通知の有無を確かめる
12下がったページを、URL検査で登録の状態とライブテストに分けて確かめたURL検査書き写して担当者に送る
13以前のURLが404になっていないか、転送が意図どおりかを確かめたブラウザとページのタブ制作会社に転送の確認を依頼する
14出したいページに、検索結果に出さない設定が残っていないかを確かめたURL検査制作会社に意図を確かめる
15自社が指定した正規のURLと、Googleが選んだ正規のURLを書き写したURL検査違う場合は両方を書いて担当者へ
16検索タイプ・デバイス・国で、下がった場所を分けた検索パフォーマンスのフィルタ1つずつ切り替えて比べる
17主なクエリに、順・需・消・新の印を付け、問い合わせにつながるクエリを分けたクエリのタブ10〜20行を書き写す
18出来事の一覧を作り、時期が重なる変更を「原因」と書いていない出来事の一覧「この日にこの変更があった」と書く
19直す場合は1つの変更にし、変更した日・内容・人を書いた記録票変更を1つに絞る
207日後・28日後の見直しの日と、判断する人を決めた記録票日付と担当を書く

点検表の使い方

【編集部の提案】数字が下がったと気づいた日は、1と2で記録を作り、10で急ぐ不具合がないかを確かめます。急ぐ不具合があれば、担当者に連絡してから残りを進めます。急ぐ不具合がなければ、3から9で比べ方と範囲をそろえます。ここまでで、本当に下がっているのか、どこで下がっているのかの見当が付きます。11から18は原因の候補を絞るための確認で、19と20は判断と見直しの決まりです。

12から15の技術的な確認は、下がった範囲にかかわらず行います。サイト全体で少しずつ下がっている場合は、主なページを数本選んで12から15を確かめ、あわせて16から18を進めます。確かめなかった番号は「確かめていない」と書き、当てはまらない番号と区別します。毎月の初めに、1・3・4・9だけを確かめる、といった使い方もできます。

記録票の書き方と記入例

【編集部の提案】記録票は、数字が下がったと気づいたときから、見直しが終わるまでの出来事を1行ずつ残す表です。担当者が変わっても、同じ表を見れば何が起きたか、何を確かめたかを追えるようにします。

記録票の列(編集部の提案)
列書くこと
番号記録の通し番号
日付書いた日
書いた人の役割気づいた人・Web担当者・制作会社・判断する人など
比べた条件プロパティ、検索タイプ、フィルタ、2つの期間
範囲全体・群・単独・混在と、対象のURL
数字クリック数・表示回数・掲載順位の2つの期間の値と、問い合わせの件数(確かめていなければ「未確認」)
確かめたことURL検査、転送、noindex、canonical、クエリの印など
出来事同じ時期の変更・出来事(原因とは書かない)
判断と理由直す・観測を続ける・保留と、その理由
次の確認次に確かめる日と、確かめる人

記入例(ケース3の社会保険労務士事務所、仮の値)

記録票の記入例(架空の社会保険労務士事務所、仮の値)
番号日付役割範囲数字確かめたこと判断と理由次の確認
1気づいた日所長未確認サイト全体のクリック3,400→3,260なし操作しない。担当者に確認を依頼3営業日後、担当者
23営業日後Web担当者単独(就業規則の作成のページ)ページのクリック210→95、順位4.1→9.6URL検査に問題なし。主なクエリは「順」同じ時期に費用の表の移動とタイトルの変更があった(原因とは書かない)翌営業日、所長
34営業日後所長単独問い合わせ:未確認実際の検索結果の上位は費用の目安を冒頭で説明費用の要約を冒頭に戻す変更だけを行う。タイトルは変えない7日後、Web担当者
4変更した日Web担当者単独変更の前の28日間の値を固定変更の内容と時刻を記録変更は1つだけ7日後と28日後

表の数字と日付はすべて仮の値です。「未確認」は空欄にせずに書き、確かめていなかったのか書き忘れたのかを区別できるようにします。

普段の上下の幅も一緒に残す

【編集部の提案】記録票とは別に、毎月の初めに、サイト全体のクリック数と表示回数を28日ごとに書き残しておくと、次に数字が下がったときに、普段の上下の幅と比べられます。検索から問い合わせまでの流れ全体を点検したい場合は、問い合わせ導線チェックも使えます。この資料は自分で記入して使うもので、人が所見を返すものではありません。

よくある質問

順位が下がったら、すぐに記事を書き直した方がよいですか

【編集部の提案】すぐに書き直すことはすすめません。まず、同じ条件で比べて本当に下がっているか、どの範囲で下がっているか、急ぐ不具合がないかを確かめてください。書き直すと決めた場合も、1つのページの1つの箇所に絞ると、28日後の見直しでその変更の結果を追えます。

順位が下がったのは、ペナルティを受けたからですか

【編集部の提案】順位が下がったことだけで、ペナルティと決めつけることはできません。手動による対策を受けている場合は、Search Consoleで通知を確かめられます。通知がない場合は、比べ方・範囲・技術的な状態・需要・クエリの変化を、この記事の順に確かめてください。

文字数を増やせば、順位は戻りますか

【公式情報】Googleのユーザー第一のコンテンツについての説明では、Googleが優先する文字数という設定は存在しないとされています(出典10)。

【編集部の提案】文字数を増やすこと自体を、順位の基準として扱うことはすすめません。大事なのは、そのクエリで検索する人の問いに、ページが分かりやすく答えているか、自社にしかない情報があるかです。必要な説明が足りない場合に加えるのはよいですが、同じ説明を繰り返して長くすることは避けます。

何日くらいで回復しますか

【編集部の提案】回復するかどうか、何日で回復するかは、この記事の手順では約束できません。この記事の7日後・28日後は、変更の反映と結果を確かめるための区切りです。決めた日に同じ条件で見直し、続ける・戻す・保留を決めてください。

自分で検索すると順位は下がっていません。数字の誤りですか

【編集部の提案】本文の「同じ条件で比べる」の節を確かめてください。自分の検索結果だけで判断せず、Search Consoleの数字を、同じ条件の期間同士で比べてください。

まとめ:記録して、同じ条件で比べ、範囲を分けてから1つずつ直す

SEOの順位や検索流入が落ちたときは、直す前に、何が起きたかを確かめます。

  • サイトが表示できない・フォームの受信が止まった・セキュリティの異常が疑われる場合は、短い記録だけ残してすぐ担当者へ連絡する。順位や流入が下がっただけなら、最初の10分で見た画面の期間・フィルタ・数字を記録する。個人情報や生のログは書かない
  • 同じ長さ・同じ曜日の期間で比べ、画面で暫定と表示されている日は比較から外す。5つの数字と、問い合わせの側の4つの段を分けて見る
  • 下がった範囲を、全体・群・単独に分けるが、範囲が狭くても全体の要因は残す。技術的な確認は範囲にかかわらず行い、設定の変更はサイトの管理者や制作会社が記録を残して行う
  • 需要の変化やアップデートは候補として持ち、時期が重なる出来事を「原因」と決めつけない
  • 内容の見直しは1つの変更にし、7日後に反映を、28日後に続ける・戻す・保留を決める。不具合の修正は直後に動作を確かめ、数字が悪くても戻さない。日程は回復の時期を示すものではない

ホームページから問い合わせが来ない理由を、検索以外の入口も含めて広く切り分けたい場合はホームページから問い合わせが来ないとき、最初に切り分ける5つの原因、ホームページと広告の改善の進め方の全体は問い合わせを増やすWeb改善ガイドでもまとめています。

今日やること

  1. サイトの表示・フォームの受信・セキュリティに異常がないかを先に確かめ、異常があれば短い記録だけ残して担当者へすぐ連絡する。異常がなければ、Search Consoleで見た画面のプロパティ・期間・フィルタと、クリック数・表示回数・平均掲載順位を、操作する前に記録票の1行目に書き写す(個人情報や生のログは書かない)
  2. 画面で暫定と表示されている日を外した28日間とその前の28日間で比べ、ページのタブで減少の内訳を計算して、全体・ページの群・1つのページのどれかを決める(範囲が狭くても全体の要因は残す)
  3. 内容の見直しを試す場合は変更を1つに絞り、7日後と28日後の見直しの日と判断する人を記録票に書く。確認できた不具合の修正は、直した直後に動作を確かめる

出典・編集方針

  • この記事の点検の順番、急ぐ場面の分け方、最初の10分の記録、範囲の分け方、問い合わせの側の4つの段、クエリの印、担当への依頼の内容、担当と期限の目安、7日後・28日後の見直しの区切り、20項目の点検表、記録票は、Akatsuki編集部の実務提案です。特定のサイトで効果を測った結果ではなく、順位や検索流入の回復、問い合わせの増加を約束するものではありません。
  • 整骨院・リフォーム会社・社会保険労務士事務所のケース、依頼の文面の例、記録票の記入例、本文と図版の数字・日付は、説明のために作った架空の例と仮の値です。実在の会社の数字や事例ではなく、業種の平均的な数字や目安でもありません。
  • 冒頭の写真風の画像は生成AIで作成したイメージで、実在の会社・人物・管理画面ではありません。本文中の図版3点は、Akatsuki編集部が文字と図形で作成した説明図です。
  • Search Consoleの画面の名前や配置、Googleの検索の仕組みの説明は、提供元の更新で変わることがあります。本文の「出典1」などの番号は下の一次情報の番号に対応し、内容は確認日の時点のものです。この記事は、実際のサイトのSearch Consoleや設定を点検・変更したものではなく、特定のアップデートの発生や影響を判断するものでもありません。

一次情報(外部サイト)

記事の作り方と訂正の方針は編集方針にまとめています。

執筆

Akatsuki編集部 株式会社Akatsukiの編集担当です。店舗集客、広告・Web改善、AI活用について、判断に役立つ考え方と確認項目を届けます。

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20項目の点検表と記録票で確かめても、どの範囲の何から確かめるか、直すか観測を続けるかが決めきれない点が残った場合は、記録票の内容(個人情報・生のログ・管理画面のパスワードは除いてください)をお知らせください。次に確かめることを一緒に整理します。