AIに任せる仕事と、人が確認する仕事の分け方
- こんな方へ
- 集客や事務の作業に生成AIを使い始めたいが、どこまで任せてよいか決められない経営者・担当者
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この記事の結論
AIに任せやすいのは「手順を言葉にできる」「間違いを後から確かめられる」「元に戻せる」仕事です。反対に、送信・公開、支払い・契約、権限の変更、削除、事実の最終確認は、始めのうちは人が確認します。送信先・内容・権限・止める条件が明確な定型業務は、事前に決めた承認の範囲で自動化を検討できます。業務を「集める・作る・判断する・外に出す」の四つに分け、動作ごとに担当を決めると線を引きやすくなります。
この記事で確認できること
- 業務を四つの動作に分けて、任せる範囲を決める方法
- AIに任せやすい仕事の三つの条件と、人が確認する仕事
- 誰が何を確かめるかを決める「確認の設計」と、小さく始める手順
「何ができるか」より先に決めること
生成AIの新しい機能は次々に発表されます。けれども、機能の一覧を眺めても「自社のどの仕事を任せればよいか」は決まりません。先に決めたいのは、次の三つです。
- 何を任せるか(対象の業務と、その中の作業)
- 誰が確認するか(AIの成果物を見る人と、見るタイミング)
- どこから先は人が判断するか(AIには実行させない操作)
Akatsukiでは、社内の業務にAIを担当者として組み込み、指示の出し方や確認のルールを試しながら直してきました。線引きを先に決めずに使い始めると、便利な場面と困る場面が混ざり、結局「全部人が見直す」状態に戻りやすくなると考えています。
業務を四つの動作に分ける
一つの業務の中にも、AIに任せやすい部分と、人が担うべき部分が混ざっています。そこで、業務を次の四つの動作に分けます。
- 集める売上や広告の数字、問い合わせの内容、過去の記録などを探して集める
- 作る集めた情報から、下書き・集計表・要約・一覧を作る
- 判断する内容が正しいか、方針に合っているか、次に何をするかを決める
- 外に出すお客様や取引先への送信、公開、支払い、設定の変更を実行する
おおまかには、「集める」「作る」はAIに任せやすく、「判断する」は人が中心、「外に出す」は始めのうちは人が確認してから行う、という分け方になります。ただし「集める」でも、扱ってよい情報の範囲は会社の規程や取引先との約束で変わります。
任せやすい仕事の三つの条件
四つの動作に分けたうえで、個々の作業がAIに任せやすいかどうかは、次の三つの条件で確かめます。
| 条件 | 確かめる問い | 満たさないときの対応 |
|---|---|---|
| 手順を言葉にできる | 担当者が手順と判断の基準を書き出せるか | 先に手順書を作る。書けない部分は人が担当する |
| 間違いを後から確かめられる | 元のデータや記録と照らし合わせられるか | 照合できる形で出力させる。できなければ任せない |
| 元に戻せる | 誤りがあっても、外に出る前に直せるか | 始めは外に出る前に人の確認を挟み、条件が明確になったものから承認範囲内の自動化を検討する |
| 扱う情報が決まっている | AIに渡してよい情報と、渡さない情報を決めたか | 秘密情報・個人情報の扱いを先に決める |
| 記録が残る | AIが何をしたかを後から追えるか | 作業の記録と、途中で止まった作業の引き継ぎ方を決める |
「手順を言葉にできる」は、AIのためだけの条件ではありません。担当者の頭の中にしかない手順は、人の引き継ぎでも問題になります。AIの導入をきっかけに手順書を作ることは、それ自体が業務の見直しになります。
人が確認・判断する仕事と、自動化の広げ方
次の操作は、誤りが外に出たときの影響が大きいため、始めのうちはAIの成果物がどれほど整っていても、人が確認してから実行します。
- お客様や取引先への送信、Webサイトや広告への公開
- 支払い、契約、費用が発生する操作
- アカウントの権限や設定の変更
- データの削除など、元に戻しにくい操作
- AIの成果物が事実に合っているかの最終確認
これらに共通するのは、誤りが外に出たときの影響が大きく、後から取り消すことが難しい点です。AIの文章は自然に読めるため、数字の取り違えや、存在しない事実の混入に気付きにくいことがあります。「読みやすい」と「正しい」を分けて確かめることが大切です。
ただし、すべての送信や公開に人の確認をずっと挟み続ける必要はありません。送信先・内容の型・使える権限・止める条件が明確で、確認の記録から誤りが少ないと分かった定型業務は、事前に決めた承認の範囲で自動化を検討します。たとえば「決まった社内の宛先に、決まった形式の集計を送る」といった業務です。範囲を広げるときも、止め方と記録の残し方を先に決めておきます。
確認の設計:誰が、何を、いつ見るか
「最後に人が確認する」と決めるだけでは、確認はあいまいになりがちです。確認する人、確認する項目、確認のタイミングを具体的に決めます。
- 確認する人:作業を依頼した人か、別の担当者か。内容の専門性が必要か。
- 確認する項目:数字は元データと合っているか、固有名詞は正しいか、社外に出してよい内容か、方針に反していないか。
- 確認のタイミング:下書きの段階か、外に出す直前か。両方が必要な業務もあります。
- 記録:確認で見つかった誤りを記録し、手順や指示の直しに使う。
確認で見つかった誤りを記録しておくと、「どの作業ならAIに任せても手戻りが少ないか」が少しずつ分かってきます。任せる範囲を広げるかどうかは、この記録を根拠に判断します。
小さく始める手順
- 一つの業務を選ぶ毎週・毎月繰り返していて、手順が比較的決まっている業務を一つ選びます。
- 四つの動作に分けて担当を書く集める・作る・判断する・外に出すの各動作に、AIか人かを割り当てます。
- 扱ってよい情報を決める渡す情報と渡さない情報、パスワードなどを指示や記録に残さない決まりを確認します。
- 数回試して誤りを記録するすぐに人手が減ることを期待せず、手戻りの量と内容を記録します。
- 範囲を広げるか判断する記録をもとに、任せる作業を増やすか、手順を直すか、元に戻すかを決めます。
減らせる時間は業務によって大きく異なり、事前に見積もることは簡単ではありません。まず一つの業務で試し、記録を見ながら範囲を広げる進め方が、結果として遠回りになりにくいと考えています。
今日やること
- 繰り返している業務を一つ選び、四つの動作に分けて書き出す
- その業務で扱う情報のうち、AIに渡さない情報を決める
- 「外に出す」操作について、人が確認する範囲と、将来自動化を検討する条件を決める
出典・編集方針
- この記事は、AIを業務に組み込む際の確認項目を、Akatsuki編集部が整理したものです。
- 特定のAIサービスの機能・料金・規約には触れていません。利用するサービスの最新の規約と、自社の規程を確認してください。
記事の作り方と訂正の方針は編集方針にまとめています。